NECとNECマグナスコミュニケーションズは9月3日、ビル内のイーサネットを集約し光信号に変換することで、高速の光ファイバを用いた拠点間の通信を実現する光一心式メディアコンバータの新製品として、10Gbps対応の「XM1600」シリーズを発表した。
同シリーズにより、事業者は高精細動画の配信や、ビックデータの伝送に必要な高速・大容量通信に対応した光ネットワークを、オフィスやマンション、ホテルなどに低コスト・高効率に構築可能となる。具体的には、光ファイバを2本使う二心式と比較して低コスト・高効率な一心式光ファイバを使用して、最大40kmの長距離伝送を実現。局舎/加入者間の距離に応じて、伝送距離約20kmのMタイプと、伝送距離約40kmのLタイプの装置を選択できる。また、1台のサブラックに、今回の「XM1600」シリーズと既存製品の100Mbps対応の「ME3200」シリーズ、1Gbps対応の「GM3200」シリーズを混在して実装可能。これにより、既設のサブラックを有効活用することでCAPEX(設備投資)の削減を実現する。さらに、回線ごとに独立して動作しているため、運用中の回線を止めることなく装置の保守・運用作業ができる。
そして、センタ側集合装置からリモート側単体装置を遠隔で監視・保守・障害の切り分けができる保守機能を搭載する。同機能は、既存製品と同一であるため、100Mbps~10Gbpsの製品を一括で運用・保守が可能となり、ネットワークの高信頼化とOPEX(運用コスト)の削減を実現する。この他、センタ側集合装置は、SNMP・CLI・Webブラウザなど顧客のニーズに合わせた多様な方法で操作できる。
なお、価格はセンタ側集合装置が172万円(税抜き)、リモート側単体装置が108万円(税抜き)から。すでに販売を開始している。NECとNECマグナスコミュニケーションズは今後、センタ側集合装置とリモート側単体装置をセットで、年間200セットの出荷を目指す。また、国際間通信を含めたトラフィック増加に対応し、さらなる広帯域サービスに適応する製品の開発・販売も検討していくとコメントしている。