理化学研究所(理研)は9月4日、STAP細胞論文の疑義に関する本調査を開始したと発表した。6月30日から実施していた予備調査の結果を受けて本調査に入った。外部有識者のみで構成される調査委員会を9月3日設置した。

この本調査は、前回の調査報告が発表された4月1日以降に指摘されたSTAP細胞研究論文2編(1月30日付の英科学誌ネイチャー掲載)に関するさまざまな科学的疑義、保全されているマウスのSTAP細胞株などの科学的解析も踏まえて行われる。

前回の調査委員会は半数が理研内部の研究者だったが、外部の有識者からなる第三者的な調査が必要だという批判が強かった。この点も配慮して、今回は外部の委員のみで独立性の強い本調査が進められることになった。

外部有識者のみで構成される調査委員会による論文検証は、「研究不正再発防止のための改革委員会」(委員長・岸輝雄東京大学名誉教授)が6月の提言書で求めていた。理研は8月27日に発表した研究不正再発防止のアクションプランで、本調査に入ることを明記していた。

ただ、理研は新たに設置した調査委員会の委員の名前や人数は公開していない。理研の「科学研究上の不正行為の防止等に関する規程」に基づき、報告は150日以内に出される見通しで、調査委員会から報告を受けた後、理研は報告内容と委員名を公表する。

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