パイオニアと米トレジャーデータ(以下、トレジャーデータ)は9月4日、自動車業界向けのビッグデータ関連事業において業務提携を行うことに合意したと発表した。

本提携は、パイオニアが展開している自動車向けクラウド基盤上のビッグデータ活用において、トレジャーデータの技術を採用し、新しいテレマティクスサービスの提供を目指すもので、自動車関連事業者は、自動車の状態に応じたメンテナンスの案内や、きめ細やかなアフターサポート情報の提供など、ユーザーのカーライフの利便性を向上させるテレマティクスサービスを提供することが可能になる。

パイオニアは2006年に、プローブ情報(自動車の走行履歴や各種のセンサーデータなど)を活用した独自のネットワークシステム「スマートループ」を立ち上げ、業界に先駆けてビッグデータの活用を進め、2013年には、自動車向けクラウド基盤「モバイルテレマティクスセンター」を構築。スマートフォン向けにもクラウド型ナビゲーションサービスを開始したほか、車載機のみならず、スマートフォンから得られる膨大なデータの解析処理による高精度なプローブ渋滞情報の提供を開始している。

トレジャーデータは、大容量の各種データをリアルタイムで収集・保管・分析するクラウド型データマネージメントサービス(DMS)「トレジャーデータサービス」を提供。事業開始以来、主にデジタルマーケティング・広告業界やオンラインゲーム業界の企業向けに導入を進めてきたが、2013年より製造業を中心に、さまざまな"モノ"”から発するセンサーデータの分野(IoT)への応用を強化している。

今回の提携により、パイオニアは、収集・蓄積した自動車関連の各種ビッグデータを、短時間で効率的に分析することが可能になり、トレジャーデータは、自動車関連ビッグデータに関するノウハウを蓄積し、今後の事業展開に活用することが可能となる。

両社は今後、解析したデータに基づくさまざまな情報を、自動車関連事業者の用途に応じて配信するクラウドソリューションを2015年内予定で提供していく。