SAS Institute Japanは9月3日、塩野義製薬と、SASのHadoop対応製品「SAS In-Memory Statistics for Hadoop」を医薬品開発情報基盤として活用した研究プロジェクトを発足させると発表した。
同プロジェクトにおいては、医薬品開発にビッグデータおよびオープンデータを本格的に活用することで、新薬の開発や安全性の研究を従来よりも効率的かつ効果的に行えるようにすることを目指す。
塩野義製薬では、既存のシステムの処理能力に限界があるため、効率良く大量のデータを処理でき、かつ拡張性に優れた分散処理環境であるHadoopに着目し、システム構築を行っている。
同プロジェクトでは、幅広くHadoopを活用するため、使い慣れた分析基盤であるSAS製品を活用してHadoop上で機械学習処理および統計解析を行うことにした。
今回採用したSASのインメモリ・テクノロジーは、Hadoopクラスタ上でデータをメモリ上に保持した分散並列処理を実現する。これにより、従来のHadoopフレームワークでは課題があった機械学習処理のパフォーマンスを向上させ、インタラクティブな分析環境を提供する。
SASは医薬品開発情報基盤構築のためのアドバイザーとして同プロジェクトに参画し、テスト評価環境の構築および技術支援、業務課題解決に向けたアドバイスなどのサポートを提供する。
両社は、同プロジェクトを通じ、以下の実現を目指す。
医薬品開発業務におけるビッグデータとオープンデータ活用に向けた、組織、業務プロセス、データ、システムなどの観点からの課題と改善機会の特定、ならびにアクションプランの立案
安全性シグナル検出ダッシュボード、医薬品間のネットワーク・メタアナリシスなど、ビッグデータ活用の組織内外での普及、定着化に向けたサンプルレポートの開発
医薬品開発業務への利用価値と利用容易性の観点からの各オープンデータの評価