ビッグデータ時代の最適プラットフォームと言われる「Hadoop」を高度なITスキルなしに企業は活用できるのだろうか。マイナビが9月12日(金)にパレスサイドビル(東京都千代田区)で開催する、企業のHadoop活用をテーマとしたイベント「ビッグデータ活用を支えるHadoopセミナー」でセッションを展開するSAS Institute Japanでは、Hadoopを意識せずに高度なアナリティクスを実現できる同社のソリューションをお披露目する予定だ。

ビッグデータ活用が叫ばれるなか、企業は大きく2つの課題に直面している。 1つは、経営層からビジネスのトップライン(売上)向上や競争力強化を求められているマーケティングや企画などの部門における課題だ。その答えを導き出すため、自分たちが主体となってさまざまなデータを自由に分析することができるツールを求めている。

もう1つは、IT部門におけるインフラ運用管理の課題である。これまでは主に基幹系システムで扱われる構造化データだけを管理し、定期的に集計して定型レポートを発行したり、BI(ビジネスインテリジェンス)環境にデータを提供したりするだけでユーザーの要求に応えることができた。それが近年では、ソーシャルメディア上で交わされている消費者のメッセージ、官公庁や自治体、公共機関から提供されるオープンデータなど、社外で流通している多様なデータも取り込んで分析したいといった要求が高まっている。RDBをベースとした既存のアナリティクス・プラットフォームでは、キャパシティにおいても、アーキテクチャにおいても限界を超えているのが実情だ。

SAS Institute Japa ビジネス推進本部アナリティクスプラットフォーム推進 マネージャー 小林 泉 氏

SAS Institute Japanビジネス推進本部アナリティクスプラットフォーム推進マネージャーの小林泉氏は、「この2つの課題が交差するところで、Hadoopソリューションに対するニーズが高まっています」と語る。

とはいえ、単にHadoopを導入するだけで、これらの課題が解決するわけではない。Hadoopを使いこなし、さらに、その上で狙いどおりのアナリティクスを実行するためには、並列分散処理の仕組みやJavaプログラミングなどに精通した高度なITスキルが要求される。実際、多くの企業から「専門知識やスキルがない分析者がHadoopを利用できるのか?」「分析のためのデータをHadoop上でどのように準備するのか?」「どのようにHadoopのデータを視覚化するのか?」といった不安の声が聞こえてくる。

そこに手を差し伸べてくれるのが、「SAS on Hadoop」のソリューションなのだ。「SASにおいてHadoopは、いまやシステムの背後で動作するインフラという位置づけです。ユーザーがHadoopのテクノロジーや並列分散処理の仕組み、データソースとの連携などを意識しなければならない時代は終わりました」と小林氏は強調する。

具体的には、マウスによるポイント&クリック操作でデータを探索できるビジネスユーザー向けのビジュアライゼーションツール、アナリスト向けのインタラクティブなプログラミング環境、SASならではのアドバンスド・アナリティクス処理(機械学習処理)を自動適用して高速実行する分散並列型インメモリ・アナリティクス・エンジンなどを提供し、複雑なHadoopの仕組みをユーザーから隠ぺいするという。

「マイナビ主催のHadoopセミナーではデモンストレーションも予定していますので、ぜひその絶大な効果を実際に目で確かめてください」と小林氏は語る。