GEヘルスケア・ジャパンは、PET(陽電子放射線断層撮影装置)とCT(コンピューター断層撮影装置)を一体化したPET/CT 「Discovery(ディスカバリー)」シリーズの最新機種となる「Discovery IQ(ディスカバリー・アイキュー)」を発表した。
「Discovery IQ」には、検出器幅が体軸方向に最大26cmまで拡張が可能な新たなPET検出器「LightBurstDetector(ライト・バースト・ディテクター)」を搭載。これにより検査時間の短縮や画像収集能力の向上が可能となるほか、定量性の向上も期待できるようになるという。また、感度が向上することで、従来と同じイメージクオリティであれば、放射性薬剤の低投与化も可能となるため、それに伴う医療従事者の被ばく量も減少させることが可能になるという。
さらに、従来の画像再構成法ではできなかった「画質」と「定量精度」の両立と向上を実現した最新PET画像再構成機能「Q.Clear(キュー・クリア)」も搭載。これにより、がん治療における診断能向上が期待されるとともに、治療前後の効果を比較判定する際に使用するSUV(PETで使用する診断薬の集積度合を示す数値(定量)指標)の信頼性・安定性も改善され、より客観的な治療効果の検証や新たな治療法への迅速な切り替え判断などが可能になるという。
加えて、日々のオペレーションワークフローの面でも、検出器の超高感度化により検査時間の短縮および、放射性薬剤線量の減衰した低投与下検査での高画質化を実現しており、これにより、無駄な検査の削減と検査スケジュールの自由度の拡大が可能となるとしている。
なお、同装置はすでに提供を開始しており、同社では、がん治療において、治療効果の適切な判定と治療方針策定を行うための信頼できるPET検査を実現したことで、患者のQOL向上と負担の軽減、また社会的課題でもある医療費の削減にも貢献することが期待されるとコメントしている。