竹中工務店は9月1日、カヤバシステムマシナリーと共同で、1基で従来のおよそ3倍の最大減衰力(6000kN)を発揮する制振用オイルダンパー「高減衰オイルダンパー」を開発したと発表した。
従来技術で6000kNの減衰力を得るには2000kNのオイルダンパーを3基並べて設置する必要があったが、「高減衰オイルダンパー」は要素ダンパー3基を長さ方向に一体化する新しい方法を採用することで、断面積を小さく保ったまま従来の3倍の減衰力を実現した。
これによってダンパー設置数を低減できるため、低階層を「制振階」として建物全体の耐震性向上に利用し、免震構造と同等の耐震性能を持つハイグレードな制振構造を容易に実現できるようになったという。また、ダンパー数の低減は設計上の自由度を増すとともに、視覚的な圧迫感も少なくすることにつながる。
さらに、従来技術に比べてダンパー本体の熱容量を高める構成を採用し、地震時の油温上昇を大幅に抑制したことにより、長周期地震動による長時間の揺れ対策用ダンパーとしても好適であるとのこと。
同社は「この技術を適用することで、長周期地震動による揺れ対策なども含め、BCPや安全・安心を求める幅広いお客様の期待に応えていく」とコメントしている。