島津製作所は9月1日、優れた操作性を維持しながら、最新型のFE(Field Emission)電子光学系の搭載によって、FE-EPMAとして世界最高水準クラスの感度と空間分解能を実現した電子線マイクロアナライザ「EPMA-8050G」を発表した。
EPMAは、分析の高度化に伴い、年々ハイエンドモデルに対するニーズが高まってきている。また、近年では、金属をはじめとする材料分野の分析以外にも、触媒における微小粒子や、鉱物などの微細組織の分析といった用途で用いられることも多くなってきており、生体試料の分析への応用も期待されている。
同製品はこれらのニーズに対し、52.5度という高いX線取り出し角度や、高感度4インチX線分光器を最大5台搭載可能といった同社製EPMAのみが持つ優れたスペックと、一連の分析が容易に行える高い操作性はそのままに、従来までのデザインを一新し、電子線を照射する電子銃にはあらゆる電流条件で高い性能を実現するFE電子光学系を初めて採用した。これにより、直径わずか50nm程度の粒子の観察やさらに高感度・高倍率のイメージングも可能となったことで、ナノレベルでの触媒の解析や、EPMAによる薬物動態解析など従来困難だった用途にも対応でき、これまでになかった最先端の市場の拡大・創出も目指すという。
具体的には、元素マッピングにおける空間分解能は世界最高水準となる10kV-1μA-150nmを実現した。また、2次電子分解能もEPMAとしては最高クラスとなる3nmを達成しており、なめらかで鮮明なSEM画像を簡単に得ることができる。さらに、FEタイプのSEM、EPMAとしては卓越した最大電流となる3.0μAを実現したことで、世界最高レベルの感度で分析を行うことができる他、超微量元素の検出能力が飛躍的に向上し、元素マッピングにおいては超微量成分のイメージングが可能になる。この他、微小電流による2次電子画像観察から大電流での高感度分析まで、最適な電流に制御することができ、対物絞りの交換作業は不要となっている。そのため、ユーザーが求める様々な分析を自動で行うことが可能となり、ワークフローの効率化にも貢献する。
なお、価格はPCワークステーション込みで1億4320万円(税抜き)から。