ノークリサーチは9月1日、SaaSを中堅・中小ユーザー企業に訴求する際の有望分野や課題に関する調査結果を発表した。対象企業は日本全国の年商100億円未満の民間企業(IT関連サービス業を除く)。
「情報系」の分野において「導入済み」または「導入予定/検討中」のSaaSについて聞いたところ、パッケージにおける高いシェアを背景に「導入済み」では「cybozu.com」が最も多く挙がった一方、「導入予定/検討中」では「Office365」が高い値を示した。
基幹系、情報系・顧客管理系、分析・出力系、運用管理系は、いずれも「導入済み」の回答割合が「導入予定/検討中」を上回っており、今後の伸びが期待されるという。
だが、最も高い回答割合を示しているのは「業務補完型サービス」と呼ばれる分野である。「業務補完型サービス」 とは「業務アプリケーション本体は従来どおりユーザー企業の社内で構築・運用し、それを補う形でSaaSを組み合わせる」という形態のSaaSを指す。
一方、導入済み/導入予定のSaaS活用を阻害する要因/課題については、「一時的な処理を担うサービスであるにもかかわらず、データを事業者側に渡さないといけない」は「導入予定/検討中」の企業における回答割合が「導入済み」を上回っており、SaaS活用を提案する側のIT企業が今後に向けて留意すべき課題の1つと指摘されている。