霧島酒造は8月29日、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕を利用したバイオマス発電である、「サツマイモ発電」による発電事業に9月より参入すると発表した。
同社は、近年焼酎粕の廃液処理に取り組んでおり、2006年には焼酎粕をバイオマス資源として飼料や堆肥に利用するリサイクル事業を開始。2012年からリサイクルプラントを増設し、バイオガスを焼酎製造工程の蒸気ボイラー熱源にへと用途を拡大してきた。
現在は1日最大800トン発生する焼酎粕をメタン発酵によりガス化し、蒸気ボイラー熱源として活用しており、本社増設工場で利用する総熱源量の46%を占めている。しかし、焼酎製造で有効利用できるバイオガスは総発生量の44%に留まっていた。
今回の事業は、この余剰ガスをほぼ100%有効活用したバイオマス発電によって年間約400万kWhの発電を行い、九州電力へ売るというもの。同社によると、この発電量は、一般家庭約1000世帯分の年間消費電力に相当し、この事業において年間で1億5000万円の売電収入を見込んでいるとのこと。
同社は、「焼酎製造・販売だけでなく、リサイクル事業の推進を責務としており、発電事業によって地域の資源に立脚した企業として、資源の持続可能な利用を目指すとともに、環境への負荷を増やすことなく、自らの成長、地域の活性化を実現していく」とコメントしている。