川崎重工は8月27日、トルクメニスタンの国営公社であるトルクメンガスから、天然ガスから高品質ガソリンを製造する世界最大級のガス・ツー・ガソリン(GTG)製造設備を、トルコの建設会社ルネッサンスと共同で受注したと発表した。

今回受注した設備は、最新のガス液化技術により、天然ガスを原料に年間60万トンの高品質ガソリンを製造するもので、トルクメニスタンの首都アシカバード北部に建設される。川崎重工は同プロジェクト全体のとりまとめと製造設備全体のエンジニアリングおよび機器の供給を担当し、ルネッサンスは土木工事と製造設備の組み立てを行う。受注金額は約1500億円で、2018年の稼動開始を予定している。

ガス液化技術は、すでに天然ガス産出国などで一部実用化されているが、今回の設備で採用される最新技術は天然ガスからガソリンを効率良く製造するため、ガソリン精製工程を簡素化することが可能だという。また、天然ガスを原料とすることで、従来の原油を原料とする設備とは異なり、温室効果ガスの排出を抑制しながら高品質ガソリンを製造できるとのこと。

トルクメニスタンをはじめとする天然資源国は、今後の持続的発展および天然ガスの有効利用策として、GTG製造設備に期待を寄せており、同国では、今回と同規模の設備増設が計画されるなど、引き続き堅調な需要が見込まれる。

川崎重工は、天然ガス関連ビジネスにおいて海外で培ってきた豊富なノウハウを生かし、今回受注したGTG製造設備やLNG貯蔵設備およびその周辺分野で、グローバルな活動を積極的に展開していく考えだ。