旭化成せんいは8月26日、ポリウレタン弾性繊維「ロイカ」を用いた伸縮する電線「ロボ電」を発表した。

同社では、今後の市場拡大が期待される産業用ロボットや介護ロボット、人間らしい動きをするヒューマノイドロボットやウェアラブル機器において、狭い空隙での配線が求められることから、たるむことなくストレート形状で伸縮する電線が必要とされるとの考えで開発を進めてきた。そして、しなやかな伸びと回復性に優れたポリウレタン弾性繊維「ロイカ」と繊維加工技術を組み合わせるとともに、これまでの知見を活用して「ロボ電」を開発したという。

同製品は、ストレートな形状で伸縮するため、屈曲部の配線のたるみや絡まりが解消する他、配線スペースのコンパクト化が実現する。また、屈曲に合わせた複雑な配線設計が不要で、配線のぶつかり、ひっかかりトラブルが減少する。さらに、配線交換も簡単である。加えて、柔軟性があるため、屈曲による断線寿命が従来比で10倍~100倍に向上する。この他、生産工程での断線による稼動停止ロスやメンテナンス工数が軽減され、生産性が向上する。同社では、「ロボ電」を生産性向上に寄与できる産業用ロボット分野を中心にまずは展開していくとしている。

なお、同製品はUSBコネクタ付きとリード線(AWG28)出しの2タイプがあり、価格は1本あたり3万円台から。ミスミの通販サイト「MISUMI-VONA」より9月1日から発売する。

伸縮の様子。元の状態

1.4倍まで伸長する