島津製作所は8月27日、遺伝子と薬効、疾患の関連性を研究する際に行う遺伝子型の判定を、微量の血液から迅速に行うことができる遺伝子型判定システム「GTS-7000(研究用)」を発表した。

同製品は、最大96検体を一度に分析できる高速サーマルサイクラーと遺伝子型判定に特化した解析ソフトウェア、確認したい遺伝子をユーザーが設定できる試薬キットから構成されている。遺伝子型は、専用解析ソフトウェアによって自動で判定され、96検体分の分析データと遺伝子型が1画面内に個別表示されるため、ひと目で結果の確認が行える。試薬は、独自の血液直接PCR技術を応用しており、血液からのDNA精製作業が必要な従来法と比較し、装置にかけるまでに要する作業時間を30分から5分程度に短縮できる。また、分析に必要な血液量はわずか1μLと微量であるため、乳幼児や高齢者のように、通常の採血が難しい患者に与える負担も低減できる。さらに、各人に適切な治療を行うことを目的とする個別化医療の研究現場において、多検体の遺伝子型も、迅速かつ容易な判定を実現する。

なお、価格は「GTS-7000」がPC別で、解析ソフトウェア・試薬キット測定48回分を含んで611万5200円(税抜き)、試薬キットの「血液直接遺伝子型判定キット、ユニバーサル」が測定48回分で11万5200円(税抜き)。

(左)遺伝子型判定システム「GTS-7000」の装置本体、(中央)解析用ソフトウェアの画面、(右)試薬キット