ウェザーニューズは8月26日、8月20日に発生した広島市の大規模な土砂災害の要因に関する分析結果を発表するとともに、週末には、前線が接近して、広島で再び雨が降る可能性があると注意を呼びかけた。
同社によると、広島市では8月19日夜から20日未明にかけて1時間に100mmを超える激しい雨が降り、市内の安佐南区、安佐北区では大規模な崖崩れや土石流が発生し、広島市安佐北区三入東では19日夜以降、断続的に雨が降り、降り始めから土砂災害が発生する20日未明の積算雨量が270mmを超えたという。
一方、今年の8月2日~4日に記録的な大雨となった高知県高知市の積算雨量は、広島市の土砂災害発生時の3倍以上だったが、広島市のような大規模な土砂災害は発生しなかった。
これより、土砂災害の規模を左右する原因は必ずしも積算雨量だけではなさそうだとしている。
土砂災害が発生する直前の広島市安佐北区三入東の雨量は、20日午前2~3時に90mm、午前3~4時に121mmの雨が降っており、土砂災害発生時には1時間に100mm前後の猛烈な雨が観測されていたことから、1時間100mmレベルの短時間強雨が今回の土砂災害の土砂災害の要因の1つと分析している。
また、産業技術総合研究所地質調査総合センターが公開している地質データから、広島県広島市は薄いピンク色で表示される「後期白亜紀(K2)の花崗岩」の分布が目立つ一方、高知市は灰緑色で表示されている「ペルム紀(P)の付加コンプレックスの基質」や白色で表示されている「後期更新世-完新世(H)の海成または非海成堆積岩」が広く分布しており、地質が異なることを指摘している。
さらに、広島市の航空写真には、やや傾斜が急な扇状地が写っており、これは過去に繰り返し土砂災害が発生したことを示唆しているという。
こうしたことから、同社は、地質が広島の土砂災害の大きな要因と考えられるとしており、暮らしている地域の地形や地域を把握するとともに、雨の強さに注意する必要があると呼びかけている。