図研エルミックとルネサス エレクトロニクスは8月25日、自動車用Ethernet AVB通信を実現するためのソフトウェアを共同開発したと発表した。
Ethernet AVBは、IEEE 802のLAN上でオーディオ信号やビデオ信号のようにタイミングの制約が厳しい信号の送受信を行うために、IEEEで標準化された通信ネットワーク技術である。自動車に応用した場合、車内の前後、左右にとりつけられたスピーカやモニタ、カメラで、音楽やビデオ、カメラ映像などを送受信するネットワークが、Ethernet AVBに集約され、自動車の配線をシンプルにするだけでなく、時刻同期機能や通信帯域予約機能で遅延を抑え、高品質な視聴環境を実現する。一方で、車載ネットワークの高速大容量化が、今後ますます進むことを背景に、主要自動車メーカーによるEthernet採用の検討が本格化している。車載機器に特化した閉じた通信方式ではなく、Ethernetというオープンな環境を使うことで、後外部の機器やサービスとの連携も可能になるとしている。
今回、図研エルミックでは、Ethernet AVB技術の製品化にあたって、AVnu Allianceのメンバーでもあり、Ethernet AVBを搭載した車載情報機器向けのSoCの開発を含め、早期からEthernet AVBに取り組んでいるルネサスと共同開発を行い、質の良いミドルウェアをより早く市場に提供するとしている。なお、最初のリリースでは、ルネサスのARM Coretex-A9搭載ハイエンドマイコン「RZ/A1」をターゲットにしている。また、図研エルミックは、今後発売されるEthernet AVBミドルウェア製品はOS/CPU非依存だが、マイコンベンダとの協調により、ユーザーの製品化効率や実用性を向上させるとコメントしている。