Fitbit Classic |
米Googleがプロダクトデザイン/メカニカルエンジニアリングのGecko Design (カリフォルニア州ロスアルトス)を買収した。GeckoのJacques Gagne社長が同社のWebサイトで明らかにしたもので、GeckoはGoogleでGoogle Xに加わり、複数のプロジェクトに関わるという。買収金額など詳細は不明。
GeckoはHPやDellをクライアントに持ち、PCやアクセサリをデザインしてきた。またOLPCのノートPC、Slingmedia、Aliph (Jawbone)のBluetoothヘッドセット、アクティビティトラッカーのFitbit、Herman MillerのLeaf Lamp、LogitechのFreedom 2.4コードレスジョイスティックなどの開発にも携わってきた。これらの製品はfuseprojectやPentagram Design、New Dealといったデザインファームがインダストリアルデザインを担当し、Geckoと共同で製品デザインを進めた。Geckoは「コンシューマ製品の開発において、実用性のないデザインは意味がない」としており、製造プロセスにも精通しているのを特長としている。デザインの初期段階から製造可能性を踏まえてデザインし、また製造コストが増す原因を取り除きながら先端的なデザインを実現する。
Geckoが加わるGoogle Xは、Google創業者の1人Sergey Brin氏が統括する開発部門だ。人々や社会が直面する大きな問題の解決に取り組んでおり、自動運転カー、スマートメガネGoogle Glass、涙から血糖値を取得できるスマートコンタクトレンズ、ニューロコンピュータといったプロジェクトが存在する。例えば、Google Glassは現在、開発版にあたるExplorer版が米国や英国で販売されているが、1つ1500ドルと一般のGoogleユーザーが購入するには高い。問題を解決するデバイスの普及には手頃な価格の実現が不可欠であるだけに、コンシューマ製品の製造プロセスに熟知したGeckoを取得したと考えられる。また今年の春にGoogleがJawboneや他のウエアラブルデバイスメーカーの買収に乗り出してるという噂が報じられており、今後ウエアラブルデバイス開発を拡充するための下地作りという見方もできる。