Texas Instruments(TI)は8月21日、エンタープライズやクライアント向けSSDなどの機器において、ソリューションサイズの低減や電池動作時間の延長を実現する双方向、高効率の18V、5A小型eFuse保護スイッチ「TPS25940/942」2品種を発表した。
エンタープライズ向けSSD製品は、大量のデータの書き込みと読み出しを行っているため、小型のフォームファクタで速度と信頼性の向上が要求される。「TPS25940/942」は、互いに逆接続のFETを内蔵し、双方向の電流制御機能を提供すると同時に、ディスクリート構成のソリューションと比較してシステムサイズを半減できる他、過電圧/電圧低下のスレッショルド精度を2%に保ち、別電源の電圧スーパーバイザチップを不要にすることによって、基板面積を削減できる。
さらに、「TPS25940」はDevSleepモードを内蔵しており、ホストやデバイスに内蔵されたSSDのシリアルATA(SATA)インタフェースを完全に停止させることで、消費電力を5mW未満に低減する。そして、eFuse電源マルチプレクサ(MUX)「TPS25942」は、システムの非理想ダイオードモードと理想ダイオードモードの選択を可能にするイネーブルブロック機能を内蔵している。
また、ノートPCやPC製品向けのSandForceのSSDコントローラ「SF3700」用に、6個の降圧型レギュレータを内蔵した電源管理ユニット(PMU)「LM10692」も併せて発表した。同製品は、2MHzのスイッチング周波数で位相シフト動作を提供し、入力電流リップルを低減する。さらに、最小サイズのインダクタとコンデンサを使用できることから、基板実装面積を削減できるのに加え、TIの「MSP430」、SandForceの「SF3700」とともに使用することで、システムサイズを13.5mm×9.3mmに低減することができる。
なお、パッケージは「TPS25940/942」が20ピンWQFN、「LM10692」が36ピンVQFN。価格は1000個受注時で「TPS25940」が0.85ドル、「TPS25942」が1.10ドル、「LM10692」が2.80ドル。