NTTドコモは8月21日、ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)とDOCOMO Beijing Communications Laboratories(以下、ドコモ北京研究所)との共同実験で、無線LANなどで使われている5GHzのアンライセンス周波数帯(無線LANやBluetoothが利用する、国際的に免許が不要な周波数帯)でLTEの通信に成功したと発表した。

LAA(Licensed Assisted Access using LTE)は、LTEの標準仕様を開発した3GPPにおいて、今後の主要な標準化対象技術の1つとして、2014年中の標準化の検討開始が見込まれている。

LAAは、アンライセンス周波数帯でのLTE通信を実現させるほか、LTE-Advancedで用いられる、複数の周波数帯域を束ねて通信速度を高速化する技術「キャリアアグリゲーション」を活用して、既存の携帯電話サービスに用いられている周波数帯と5GHz帯を束ねて利用することを前提としている。

「LAA」のイメージ

今回の実験は、LAAと無線LANを比較し、LAAの潜在的な性能の高さを確認するための第1段階の実験。具体的には、LAAと無線LANの共用基地局アンテナから、5GHz周波数帯の20MHz帯域幅を利用してデータを送信し、受信側は「LAA」対応の携帯端末と無線LAN対応機器を用いて、LAAと無線LANを個別に通信させた場合の性能評価を行った。

実験の結果、IEEE802.11nと比べ、LAAは約1.6倍の通信容量の向上を達成した。

実験イメージ

今後、第2段階の実験では、LAAと無線LANを同時に通信させた場合の性能評価を進め、その結果を踏まえ、LAAと無線LANとの共存をさせるためにLAA通信を最適化して実験を行う予定。