電波環境協議会は8月19日、携帯電話やスマートフォンを病院内で利用するときの新たな指針「医療機関内での携帯電話等の使用に関する指針(案)」を公表した。
指針では、第2世代の携帯電話サービスの廃止による携帯電話の電波出力の低下、医療機器の電磁的耐性に関する性能の向上など、関連する状況が以前と大きく変化してきたことを指摘。同協議会が1997年に作成した指針を廃止し、新たに作成した。
新たな指針では、医用電気機器の電磁両立性に関する国際規格などを参考に、病院内での携帯電話利用を医用電気機器と1m以上離れていれば原則利用できるとした。1mという距離について同協議会は「利用者にとって理解しやすい距離」としている。
特例として、各医療機関において独自試験の結果および医用電気機器メーカーのテスト結果により安全性が確認されている場合は、機器から1m以内でも携帯電話を利用することができる。
病院内の施設で見れば、病室、待合室、ロビー、食堂、廊下、エレベーターホールなどで医用電気機器が存在しなければ携帯電話を使用できる。ただし、付近に医用電気機器を使用する患者がいる場合や使用が制限される施設に隣接している場合などは、必要に応じて使用制限を設ける必要がある。
同協議会は、「医療機関における携帯電話等の使用に関する作業部会」を設置し、指針案などを取りまとめ、6月30日~7月22日までの間、意見募集を行った。その結果、14件の意見の提出があり、それらを踏まえ同協議会として標記指針などを取りまとめた。