米航空宇宙局(NASA)は8月12日、 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同の熱帯降雨観測衛星「TRMM(トリム)」が燃料切れに近い状態にあり、2016年2月の大気圏突入とともに運用を終了する予定と発表した。

「トリム」は1997年に打ち上げられたNASA・JAXA共同開発の地球観測衛星で、降雨レーダー、マイクロ波観測装置、雷観測装置などを装備し、17年にわたり熱帯海洋域を含む地球規模での降雨観測に貢献してきた。2014年2月には後継機「GPM」が打ち上げられ、「トリム」より広範囲での観測が実現している。

同機はすでに高度402kmから降下を始めており、残存している若干の燃料は降下している間、スペースデブリとの衝突を避けるために使用されるという。

なお、降雨データの提供は近く停止するが、マイクロ波観測装置と雷観測装置については大気圏突入まで引き続き運用されるとのこと。

「トリム」のイメージ画像 (C) NASA