ここ最近、日本各地の城や寺、イベント会場など、さまざまな場所で見られるようになった「プロジェクションマッピング」。これは、建築物や物体、空間、人物などあらゆる立体物に映像を投影する表現手法のことだ。実際に存在する物体とバーチャルな映像、そしてサウンドがシンクロすることで浮かび上がる、幻想的な世界はとても感動的だ。

ここでは、この夏、首都圏で上映されているプロジェクトマッピングを5つ紹介しよう。

東京ディズニーランド「ワンス・アポン・ア・タイム」

東京ディズニーランド「ワンス・アポン・ア・タイム」

まずは、東京ディズニーランドで開催されている夜のエンターテインメント「ワンス・アポン・ア・タイム」。同パークのシンボルでもあるシンデレラ城に、ディズニーのおとぎ話の世界が色鮮やかに映し出され、心に響く名曲とともに感動がよみがえるというもの。上映時間は約20分。このショーをシンデレラ城前の中央鑑賞エリアから鑑賞するには、座席指定券が必要となる。ショーの開演時間の30分までに、トゥモローランド・ホール内にある抽選機に当日パークチケットを挿入して抽選を行い、当選したグループだけが席をゲットできる仕組みだ。大人気のショーのため当選確率が低いのはもちろん、混雑日は「抽選までの行列」も覚悟しなければならない。

惜しくも抽選に外れてしまった場合、観覧エリアの外からでも城の上部に投影される一部シーンを見ることが可能だ。ただし、映像はシンデレラ城の凹凸に合わせて投影されるので、正面から見なければ映像がつながらない。「どうしても鑑賞エリアから見たい!」という人は、東京ディズニーリゾート・オフィシャルホテルの鑑賞席付きの宿泊プラン(「ワンス・アポン・ア・タイム」を楽しむ2DAYS)を利用する手もある。気になる人はTDRのオンライン予約・購入サイトをチェックしてみよう。なお、8月中の上映スケジュールは、基本的に1日2回(20:35~、21:25~)だが、悪天候や混雑状況によりクローズする場合や、上映時間が変更される場合がある。

横浜ランドマークタワー「ドッグヤードプロジェクションマッピング」

横浜ランドマークタワー「ドッグヤードプロジェクションマッピング」のイメージ画像

横浜ランドマークタワーの開業20周年を記念し、同施設内「ドックヤードガーデン」で毎日上映されているプロジェクションマッピング。国の重要文化財に指定されている造船所跡地であるドックヤードガーデンの独特の形状を生かし、高さ約10メートル、横幅約29メートルの船型の石壁をスクリーンとして活用。観客の周囲180度に映像を投影し、まるでその世界観に入ったかのような感覚が味わえる、屋外では日本初となる「180度体感型プロジェクションマッピング」ということだ。上映時間は約7分。

鑑賞するには、3階スカイガーデン入り口に設置されている発券機で配布されている整理券が必要。配布開始は毎日10:00からで、定員は各回500人。当日分が無くなり次第終了ということだ(受付は各回上映の40分前まで)。なお、ショーの鑑賞は無料。なお、8月の上映スケジュールは1日5回(19:30~、20:10~、20:50~、21:30~、22:10~)。ただし、天候や定期点検等により急きょ休止となる場合がある。

新江ノ島水族館「ナイトアクアリウム」

湘南・江の島にある新江ノ島水族館(えのすい)で開催されているのは、同館10周年特別企画として、「深海」をテーマに昼とは全く違うファンタジックな海の世界を演出する「ナイトアクアリウム」。深海で生まれた生命の光が大水槽全体に広がり、命が紡がれていく生命誕生の物語を描く「深海世界のオアシス」をはじめ、クラゲとのコラボレーションショーを楽しめる「海月の宇宙」、未知なる深海の世界に足を踏み入れるアドベンチャー型の「しんかい2000の冒険」など、館内各所において、プロジェクションマッピングによる視覚映像演出が用意されている。

なお、「ナイトアクアリウム」が開催されるのは11月30日まで(8月は無休)の17:00~20:00。鑑賞料は入場料のみ(大人:2,100円/高校生:1,500円/小中学生:1,000円/幼児(3歳以上):600円)で別途料金はなし。

小田原城「屋内プロジェクションマッピング2014 ~北条五代百年絵巻 五代の緒~」

神奈川県・小田原城を舞台に行われているのは、天守閣を音と映像でつつみ、戦国時代を駆けぬけた北条五代百年の夢を表現するプロジェクションマッピング。北条早雲、北条氏綱、北条氏康、北条氏政、北条氏直の城主の人間味や生きざまを影の動きとビジュアルでイメージさせ、生前に残した彼らの言葉を使って表現するという内容だ。

また、会場は、小田原城天守閣 中4階。開催期間は9月29日まで。時間は9:00~17:00(ただし8月の土・日・祝日および11日~15日は9時~18時、入館は閉館の30分前まで)。鑑賞料は入場料のみ(一般:410円/小中学生:150円)で、別途料金はなし。

東京都・日本橋「ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014 ~江戸・金魚の涼~ &ナイトアクアリウム」

東京・日本橋の日本橋三井ホールで開催されている「ECO EDO 日本橋 アートアクアリウム 2014」では、和をモチーフとした水槽に、LEDライティングやプロジェクションマッピングなどの最新技術を施して幻想的な世界を構築。さらに、音楽や香りによる演出も施され、「涼しさ」と「日本の美」を五感で体感できる水中アート展覧会となっている。

今年のテーマは「江戸・金魚の涼」で、江戸時代から日本人に親しまれてきた約5,000匹の金魚が、江戸情緒を感じられる水中空間をあでやかに優美に舞い踊るという。開催期間は9月23日まで(会期中 無休)で、開催時間は11:00~23:30(最終入場は23:00)で、19:00以降は「ナイトアクアリウム」として、音楽や照明の演出が変わりドリンクを楽しみながら観賞できる大人の空間となる。また、週末には豪華アーティストによるライブやDJなどが予定されている(ナイトアクアリウム転換時の入場料金の変動、入れ替えはなし)。入場料は、一般:1,000円/子供(小学生以下):600円/3歳以下:無料。