米GoogleのChrome OSを搭載したノートPC「Chromebook」が着実に市場に浸透しているようだ。Chromebookの2014年の出荷台数は前年から79%増加し、520万台に達すると米Gartnerは予想している。取り扱うベンダー数と機種数が増えつつあり、Chromebook市場内の競合も激しくなっているという。それでも、PC市場全体として見ると、ニッチにとどまっているのが現状だ。

Gartnerが8月11日(英国時間)に、Chromebookの市場動向を発表した。Chromebookは2011年に登場したノートPCで、軽量のChrome OSを搭載し、アプリケーションはクラウドを利用する。当初、SamsungとAcerの2社が対応機種を提供していたが、その後提供ベンダーは増え、Hewlett-Packard、Lenovo、Dellの大手3ベンダーが採用、2014年市場で提供されている機種数は8機種に増えた。

GartnerはChromebook登場から3年が経過する今年、出荷台数予想は520万台に達すると見る。これは2013年から79%の増加になり、2017年には約3倍の1,440万台に達すると予想している。一方で、米IDCは2014年の世界PC市場の出荷台数見通しを2億9,630万台としており、PC市場全体から見るとChromebookはごく一部を占めるにすぎない。

Chromebookの成長を牽引しているのは教育市場で、2013年は85%が教育向けだったという。地域別では、北米が8割以上を占めており最大市場となっている。Gartnerは教育分野からビジネス向けにも拡大していくと予想、特に銀行や金融サービス、不動産、ホテルの受付などの用途で受け入れが進むとしている。

その一方、ニッチの領域を脱するには、クラウドベースの利用パターンを支援するため、高速な接続、メモリへのアクセス、高速かつ大容量のSDDなどの機能を提供する必要があると指摘している。

ChromebookのベンダーシェアはSamsungが64.9%を占めてダントツの首位だ。2位はAcer(21.4%)、HPとLenovoがそれぞれ6.8%と6.7%のシェアをとっている。

大手PCベンダー3社が揃ったChromebook市場。先行したSamsungとAcerが上位を占める 資料:Gartner