エミレーツ航空は8月6日、機内エンターテインメントシステム「ice(information, communication and entertainment)」で上映する映画に、視覚障害を持つ搭乗者向け解説放送を航空会社で初めて導入したと発表した。

iceのデジタルワイドスクリーンでは、世界中の400タイトル以上の映画やテレビ番組、最近のヒット曲やクラシックなどの音楽チャンネル等、1800チャンネル以上のエンターテインメントを提供する。エミレーツのエアバスA380型機とボーイング777型機では、座席モニターをHD対応のより大きな画面で提供し、ファーストクラスは27インチ、ビジネスクラスは20インチ、エコノミークラスは12.1インチとなる。

今回導入する「視覚障害を持つ搭乗者向け解説放送」は、昨今映画館やテレビで普及してきている音声タイプのもので、通常のペースで流れるセリフの合間に、シーンの様子を説明するナレーションが流れる。第一弾として、「アナと雪の女王」や「ウォルト・ディズニーの約束」「カーズ2」「モンスターズ・ユニバーシティ」「アベンジャーズ」「トイ・ストーリー3」「パイレーツ・オブ・カリビアン(全4シリーズ)」など、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズの計16タイトルの映画に導入される。

エミレーツ航空の運航する機内でiceを利用するイメージ

同社は2007年にも、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズと協働し、聴覚障害を持つ搭乗者向けに「クローズド・キャプション」を機内エンターテインメントに導入。クローズド・キャプションは、役者のセリフを字幕で表示するほか、効果音も文字として画面に表示する。8月時点、ice上で見ることが可能なクローズド・キャプションつき映画は、50タイトル以上となる。

同社 コーポレート・コミュニケーションズ 商品・出版・デジタル・イベント担当 副社長のパトリック・ブラネリー氏は、今回の導入に関し、「いろんなバックグラウンドを持つお客様にエンターテインメントをご利用いただくことは、弊社にとって極めて重要で、視覚障害をお持ちのお客様にも映画をお楽しみいただきたいと考えた」とし、今後も「解説放送付きのコンテンツをさらに増やしたい」と述べている。