ロームは、薄膜圧電(ピエゾ)素子を用いたMEMS(圧電MEMS)工程を構築し、ユーザーの要望に応じた製品の開発・製造をウェハ投入から実装まで一貫して行う、ファウンドリビジネスを開始したと発表した。
圧電MEMSデバイスの作成においては、高圧電特性を持つ薄膜の成膜や、微細な圧電体の加工、成形が難しいとされている。また、MEMS駆動部の加工も高精度に行う必要があり、さまざまなアプリケーションに対応させるには、多くの知見やノウハウが必要となるという。
これらの課題に対し、ロームは、薄膜圧電素子の研究に取り組んでいる、神戸大学大学院 工学研究科の神野伊策教授から、薄膜圧電素子の評価測定方法において協力を得て、ロームのメモリ向け強誘電体技術、ラピスセミコンダクタの高感度MEMS・実装技術、KionixのMEMS微細化技術というロームグループ内の生産技術をフル活用することで、さまざまなマーケットおよびアプリケーションに対応可能な圧電MEMSを実現し、ラピスセミコンダクタ宮崎に製造工程を構築したという。
すでに、ユーザーの要望に応じた圧電MEMS製品の共同開発を始めており、ウェアラブル機器、センサ、産業用インクジェットヘッドなどの成長市場に向けて、月産200万個の量産体制を目指し、製造ラインを順次拡大していくとしている。今後も、MEMSと薄膜圧電素子を組み合わせて、アプリケーションの小型化、省エネ化に貢献していくとコメントしている。