現在のビジネスにおいてデータは命である。万が一、データが失われてしまうと企業活動そのものが停止することもあり得る。そして近年では、災害時におけるBCP(事業継続計画)対策の観点からも、遠隔地のデータセンターにバックアップを置くクラウドバックアップサービスの注目度が高まっている。

機器とストレージを他のユーザーと共有するクラウドバックアップサービスは、ハードウェアの購入やシステムの構築が必要なオンプレミス型よりも、はるかに導入のハードルが低い。そのため、特に中小企業を中心に導入の検討が進んでいる。だがクラウドバックアップの導入には、メリット以外にもいくつかの課題が存在している。その中でも、特に注意すべきポイントは、データ容量とネットワーク負荷の低減である。

本記事では、株式会社ねこじゃらしが提供するクラウドバックアップサービス「BackStore」を例に、クラウドバックアップが抱える課題と、その解決方法について紹介する。同サービスは国内法人向けに約1,000社の導入実績を誇る。

ストレージ容量とデータ転送における回線負荷の課題

一般的に、クラウドバックアップでは利用した量に応じて料金が発生する従量課金性となっている。つまり、バックアップのデータ量が増えてきてしまうと、ストレージ容量の追加が発生し、コストがかさむことになる。また、バックアップ時はインターネット回線を利用してデータ転送を行うため、保存するデータ量が多いと、バックアップのたびに回線を占有してしまい、通常業務に影響が出る可能性がある。

これらの課題を解決するためには、バックアップのために転送・保存するデータを、効率良く圧縮して容量を少なくすることが重要となる。そして、そのために有効となる技術が、「BackStore」が持つ「インクリメンタルバックアップ」と「ブロックレベルの重複排除」だ。

追加・変更されたデータのみを効率良くバックアップ

一般的なバックアップでは、ファイル単位でデータ転送を行い保存する。だが「BackStore」では新たに追加されたデータ部分のみを保存する。これが「インクリメンタルバックアップ」である。また、データ内の一部に変更が加えられた場合には、変更された部分のデータのみをバックアップする。ファイル単位では無く、バイトレベルでの変更点を検知し、ブロックレベルでのバックアップを行うのだ。これが「ブロックレベルの重複排除」である。この2つの技術により、バックアップにおけるデータ転送量を最小限に抑え、ネットワークの負荷を抑えることができる。

2つの技術により、追加・変更部分のみをバックアップ

1ファイルで複数世代のデータを管理してディスク容量を抑える

例えば、途中の過程を把握するためにファイルを世代ごとに別名保存するケースがある。この場合、もし一週間ごと別名保存すると、5週間後には5世代のファイルができあがる。つまり最低でもファイル容量は5倍となる。これが単なるテキストファイルであれば、さほど影響はないかもしれない。だがもし、ポスター制作用の画像ファイルだったら、PR用の映像ファイルだったら、数世代分のファイルを保存しただけでディスク容量が切迫してしまうこともあるだろう。その結果、ファイルを削除するか、コストを追加してディスク容量を増設するかの選択を迫られることになる。

「BackStore」では、前述した2つの技術を応用し、1つのファイルだけで世代ごとのデータを管理することが可能となる。当然、世代ごとに分割して保存するよりも、バックアップする容量は圧倒的に少ない。なお復元は、任意の時点を選択できるので、細かいレベルでの世代管理が可能となる。データを徹底的に効率化し、ディスク追加のコストと手間を抑える、これが「BackStore」の持つ大きな特徴となっている。

変更や追加が加えられた容量のみをバックアップ。世代ごとのフルバックアップが不要となり柔軟な世代管理が可能に

強固なセキュリティとシンプルな操作性が、中小企業のデータバックアップをサポート

クラウドバックアップには、前述したディスク容量とネットワーク負荷以外にも検討すべき課題がある。まず、いつでもどこからでもアクセスできるクラウドサービスである以上、セキュアな情報管理は必要不可欠である。更に、BCPの観点からも、データセンターは社内システムとは離れた場所にあることが望ましい。

また、誰もが簡単に扱えるシステムであることが必要となる。経理、人事、営業など、バックアップが必要なデータは全ての部署に存在する。特に、情報システム部を持たない中小企業の場合、それぞれのスタッフが自分たちの手で設定ができる、わかりやすい操作が重要となる。

「BackStore」では、448ビットアルゴリズム(Blowfish)によるデータの暗号化と128ビットアルゴリズムよるデータ通信の暗号化の2重の暗号化によって、徹底してデータを保護している。更に、データセンターを東京と沖縄の二カ所で運用し、それぞれにおいて分散バックアップが可能となっている。

また、操作性の面においても非常にシンプルで使いやすく、単純なバックアップ&復元であればワンクリックで操作が可能。勿論、自動バックアップのタイミングやバックアップ時のCPU利用率など、細かな設定も簡単に行うことができる。また、Windows、Mac OS、Linuxなど、マルチプラットフォームに対応。WindowsでバックアップしたデータをMacやLinuxで復元できることも大きな特徴の一つだ。

シンプルな操作でバックアップ&復元が可能

もともと「BackStore」は海外の有力企業が利用しているクラウドバックアップシステムを、国内の中小企業向けに使いやすくカスタマイズしたものである。2009年のサービス開始から、僅か5年で国内約1,000社に導入実績を持つことからも、その実力が伺えることだろう。なお、「BackStore」は14日間無料体験サービスを実施している。ホームページにある資料請求ページから申し込むことが可能なので、興味がある方は是非とも「BackStore」の、使いやすさと独自機能の実力を体験していただきたい。

「BackStore」資料請求および無料体験版申し込みページ