日本森林学会は、林業の発展の歴史を記憶、記録する「林業遺産」に木曾森林鉄道など10件を初めて認定した。今年が学会設立100周年になるのを記念して、2013年度から「林業遺産」認定作業をしていた。学会員を通じて、林業発展の歴史を示す景観、施設、跡地、技術、道具類、古文書などを募り、19件の中から10件を選んだ。同学会が7月30日に広報資料を配布した。

地域の内訳は関東4件、中部3件、関西1件、四国2件で、木曾森林鉄道(長野県)や全国緑化行事発祥地(茨城県)、東京大学千葉演習林、猪名川上流域の里山(兵庫県)などが選ばれた。いずれも同学会のホームページで紹介している。森林をめぐる人々の営みは古くから、各地で脈々と引き継がれ、多様な発展を遂げてきた。同学会は今後も毎年、全国に対象を広げて、林業遺産として選定していく。

写真1. 木曾森林鉄道(長野県)。左がボールドウィン蒸気機関車、右が鬼渕鉄橋(提供:中部森林管理局)

写真2. 猪名川上流域の里山(台場クヌギ林、兵庫県川西市)(提供:能勢電鉄株式会社)