日本オラクルは7月30日、通信事業者向けのネットワーク機能仮想化(Network Function Virtualization。以下、NFV)管理基盤「Oracle Communications Applications Orchestrator」の国内提供を同日より開始すると発表した。
日本オラクル インダストリービジネスユニット グローバルクライアントアドバイザーの伊藤 亮三氏 |
Oracle Communications Applications Orchestratorは、NFVに対応したアプリケーションのライフサイクル管理製品。NFVとは、欧州の電気通信業界における標準化団体「ETSI(European Telecommunications Standards Institute)」が設立したISG(Industry Specification Group)により策定された参照アーキテクチャで、コアのネットワーク機能を仮想化し、トラフィックに応じて柔軟に拡張/縮小できる構成になっている。
Oracle Communications Applications Orchestratorには、そのNFV環境において生成されたインスタンスから性能情報をリアルタイムに収集し、状況に応じてインスタンスの追加や削除を自動で行えるという特徴がある。発表会に登壇した日本オラクル インダストリービジネスユニット グローバルクライアントアドバイザーの伊藤 亮三氏は、「電気通信事業法により、2時間以上、3万人以上に影響が及んだ通信障害は総務省に報告する義務があるが、そうした事態を回避するのはもちろん、小さな障害も未然に防げるようビッグデータ技術を使ってネットワーク情報を解析し、自動で対応しようというのが今回の製品」と説明した。
また伊藤氏は、米Oracleが保有する通信業界向けのポートフォリオについても言及。セッションボーダー・コントローラー(SBC)製品を提供する「Acme Packet」、ネットワーク・シグナリング製品を提供する「Tekelec」と、通信業界向けのベンダー2社を昨年買収したことを説明したうえで、Oracleでは、インフラレベルからアプリケーションレベルまで幅広く対応できる製品を用意していることを強調した。