近年広く使われるようになってきた無料通話・メールアプリ「LINE」。同アプリ内でのコミュニケーションに使われる「LINEスタンプ」を、個人のクリエイターなどが制作・販売できる「LINE Creators Market」。LINEが公式発表したところによると、特に人気を博した「LINE Creators Market」発のスタンプは平均470万円もの売り上げを記録したとのことで、クリエイターの新たな活路としても注目されています。
実際にスタンプ作成に取り組んでいるクリエイターたちは、LINEスタンプならではの課題に直面しています。スタンプはコミュニケーションツールとしての色合いが強いため、イラストひとつひとつに持たせる役割や表情を決めることが難しいと感じる人も多くいるのではないでしょうか。
そこで、LINEユーザーのスタンプの使用実態について、普段からLINEを使っているマイナビニュース会員にアンケートを実施。実際にどんな場面でスタンプを使用しているのか、シーン別にアンケートを取ってみました。
ここからは、アンケートを取ったなかで、特に票を集めた場面トップ3を紹介していきます。
1位 ありがとうを伝えたい時(49.3%)
票のほぼ半数を占めるほどだったのが、この「ありがとう」というメッセージに関するもの。トークの相手に感謝を伝える場面で、スタンプを使って気持ちを伝えたい人はかなりの数いるようです。
文字で「ありがとう」と書かれているスタンプは少ないですが、おじぎをしている図案や笑顔、ハートを使った表情づけなど、好意を表すイラストが「ありがとう」が必要な場面で重宝されているのかもしれません。
2位 嬉しい時(42.2%)
1位と僅差となる票を集めたのは、LINEスタンプは「嬉しい時」に使うという意見。「嬉しい」と文字で書かれているスタンプはやはり少ない印象があります。「ありがとう」も「嬉しい」も明るい感情なので、それを伝えるためのスタンプの内容が自然と似通ってきて、どちらにも使えるように文字を添えずに作る場合が多いのかもしれません。
3位 OK・NGの返事をする時(39.0%)
「OK・NG」と書かれたスタンプは、LINEでのトークではよく目にします。会食の日程調整や意見の賛成・反対など、OKかNGかで返事をする場面は多いもの。簡潔に意見を伝えられ、かつ味気ない印象は避けられるのでよく使われているのだといえそうです。
多くの項目にわけて複数回答で票を集めましたが、意外だったのは「仕事が終わらない」、「疲れた」など、コメントする回数は多そうな場面でも、スタンプを利用したいと思う人は少なかったという点です。例に挙げたのはどちらも会社員であればしばしば直面する状況ですが、それを伝えるのにスタンプはそこまで必要とされていないのかも……?
また、全体として、「悲しい」、「謝りたい」などマイナスの感情が絡む場面では、LINEスタンプの利用意欲があまり見られないのも印象的でした。リリース当初に非常に人気を集めた森もり子さんの「もっと私にかまってよ!」スタンプは「既読スルー」などを指摘するなどシニカルな切り口が話題となっていましたが、コンセプトやイラストのラインナップをしっかり固めておかないと「使えない」スタンプと見られてしまう可能性もあり、LINEスタンプ制作の難しさを感じさせます。
今回の結果からは、「嬉しい」、「ありがとう」などに使えるポジティブで意味をあまり限定しない絵柄が好まれることが明らかとなりました。しかし、使用頻度だけでLINEスタンプの人気は決まりません。以前公開した「有料スタンプの購入」に関するアンケートでは、「好きなキャラクターであれば有料でもスタンプを買いたい」という声が最も多く上がっていました。キャラクターとしての魅力と使いやすさのバランスが難しいポイントとなりそうですが、日本のみならず世界で自身のイラストを展開できるプラットフォームの今後の展開にも注目していきたいところです。
調査時期: 2014年6月26日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数: 20~50代の男女497名
調査方法:インターネットアンケート