横浜市はこのほど、高速鉄道3号線延伸の事業化に向けた基礎的な調査に着手し、26年度は、路線検討や現地調査(地質調査・空中写真測量など)を行うと発表した。

調査区間は、市営地下鉄ブルーラインあざみ野駅から小田急線新百合ヶ丘駅付近で、期間は今年8月から来年3月までを予定している。

現地調査として、横浜市域のみボーリングによる地盤構成を調査するほか、空中写真により土地の現況などを調べる。

同市では、あざみ野から新百合ヶ丘への延伸について、横浜市と川崎市の拠点を結び、広域的な首都圏の鉄道ネットワークの一翼を担う路線になり、東京都心方面と神奈川県央部を結ぶ鉄道路線を短絡し、災害などによる輸送障害発生時の代替経路を確保するものとしている。

また、川崎市北部・多摩地域と横浜・新横浜を乗り換えなしでつなぐことにより、新幹線駅(新横浜)や空港(羽田)へのアクセスが向上するという。

例えば、あざみ野-新百合ヶ丘間の所要時間は、現在のところ、南武線経由で乗換えを2回行って31分かかるが、延伸の整備により、乗り換えなしで11分に短縮されることが試算されている。

同様に、新百合ヶ丘-横浜間の所要時間も、横浜線経由で乗換えを1回行って46分かかるところ、乗り換えなしの38分に短縮される見込み。

整備前の路線図

整備後の路線図

同市では、需要規模は1日当たり4万5,000~5万3,000人と、現在の相鉄いずみ野線と同規模と試算している。概算事業費は約1,300~1,500億円、累積資金収支は 23~31年目で黒字転換すると試算されている。