2014年4月9日に「Windows XP」のサポート終了に続き、2015年7月15日(日本時間)にはサーバーOSである「Windows Server 2003」の延長サポートが終了する。延長サポートが終了すると、セキュリティのリスク、ハードウェアの老朽化リスク、システム拡張の制限や拡張時のコスト・デメリットなどの問題を抱えることになる。

たとえばセキュリティのリスクでは、サポート期間内には提供されていたセキュリティ対策用のアップデートが提供されなくなる。そのため、日々発生するセキュリティの脅威からサーバー環境を守ることが困難となる。

4月26日(米国時間)に公表されたInternet Explorerの脆弱性が世界を震撼させたことは記憶に新しい。このときにはWindows XPのサポート終了直後ということで、例外的にセキュリティアップデートが提供されたが、基本的にはサポート終了後のOSに対するセキュリティアップデートは提供されないので、早めに新しいOSに移行することが必要になる。

また、Windows Server 2003が搭載されたサーバーの多くは、導入から5年以上が経過しているハードウェアが多い。導入から4年を経過すると、ハードウェアの故障率は著しく高まるといわれている。そこでハードウェアの老朽化のリスクを防ぐ意味からも、新しいシステム環境へ移行することが望ましい。

さらに、古いサーバーやOSには、量や種類、発生頻度が増加し続けるファイルやデータに対応するための拡張性に制限があり、拡張できたとしてもコスト高になる可能性がある。つまり、新たにサーバーを導入することによって、導入からシステム構築、運用管理までのTCO(総保有コスト)を大幅に削減できる可能性も高く、検討する価値はあるだろう。

Windows Server 2012 R2への移行手順

Windows Server 2003で稼働しているワークロードには、ファイルサーバーやActiveDirectory(AD)サーバー、アプリケーションサーバーなどがある。これらのワークロードは、企業の基幹システムで利用されているものもあることから、Windows Server 2012 R2へ移行する場合には、段階的および計画的な移行作業が必要となる。

大まかな移行ステップは以下の通りだ。まずステップ1では、Windows Server 2003のアプリケーションサーバーを、Windows Server 2012 R2のHyper-V上に構築された仮想サーバーに移行する。ステップ2ではファイルサーバーやADサーバーなどをWindows Server 2012 R2に移行し、ステップ3ではステップ1で仮想サーバーに移行しておいたWindows Server 2003環境を、Windows Server 2012 R2が稼働する新しい仮想サーバーまたは物理サーバーに移行する。

実際の移行に際しては、たとえばステップ1のアプリケーションサーバーの移行では、マイクロソフトが提供するP2Vツールである「Disk2vhd」などを利用して、Windows Server 2003環境を仮想サーバーに移行する。またステップ2のファイルサーバーの移行では、マイクロソフトの「ファイルサーバー移行ツール・キット(FSMT)」を利用する。移行先としては、ファイルサーバー専用OSであるWindows Storage Server 2012 R2が有効となる。

さらにADサーバーの移行において、Windows Server 2008以前のADは、Windows Server 2012 R2へのセットアップ時にアップグレードオプションを利用してADをアップグレードさせるインプレースアップグレードが行えない。そのため、段階的にフォレスト/ドメインの機能レベルをアップグレードさせる作業が必要になる。

Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2への移行は段階的、計画的に行うのが成功のポイントです

Windows Server 2012 R2への移行を支援するIBM System x

日本アイ・ビー・エム(日本IBM)では、誕生から20周年を迎えたx86サーバー製品である「IBM System xシリーズ(以下、System x)」により、Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2への移行を検討している企業を強力に支援する。最新の技術と機能が搭載されたSystem xを採用するメリットは、ハードウェアの大幅な性能向上である。

Windows Server 2003が搭載されている約5年前のSystem xサーバーに比べ、現在のSystem xは、整数演算処理で約6.4倍、浮動小数点処理で約8.4倍の性能向上を実現している。また、最大メモリ容量は48GBから768GBの16倍に、最大ハードディスク容量は2TBから8TBの4倍に、それぞれ搭載容量が拡大している。

また、障害予知機能(PFA)や障害個所がひと目でわかる診断パネルLEDなど、ダウンタイムを最小限にする高い可用性も特徴の1つ。さらに効率的なクーリングを行うための基盤設計といった省エネ設計により運用コストも削減できる。このように古いサーバーを最新モデルに移行することで、大幅に性能を向上しながら、ダウンタイムの低減とコストの削減を実現することが可能になる。

なお、日本IBMでは最新のSystem xを低価格で導入でき、Windows Server2003からWindows Server 2012 R2への効率的な移行を可能にする「OSマイグレーション・キャンペーン」「Flex System VDI/仮想化キャンペーン」「Windows Server 2012 R2 & タブレット認証 業務活用お試しキャンペーン」という3つのキャンペーンを展開している。

キャンペーンの詳細は、日本IBMのキャンペーンサイトで紹介されている。また、Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2への移行に関する情報を掲載した冊子「Windows Server 2012 R2をはじめよう! Windows Server 2003移行ガイド(PDF 1.59MB)」をダウンロードすることもできる。