IDC Japanは7月28日、国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場 企業ユーザー動向調査結果を発表した。

「ビッグデータ」という言葉の認知度は、IT部門では2013年の74.8%から2014年は88.4%となり、定着が進んでいる。IT部門以外の業務部門や経営層の回答者でも、2013年の33.5%から2014年は56.5%と大きく増加した。一方、企業・団体において「すでにビッグデータを提供/利用している」企業は全体の7.2%にとどまる。

ビッグデータテクノロジーの提供/利用状況(従業員規模別) 資料:IDC Japan

この回答率は大企業ほど高く、活用が先行している企業セグメントを分析した結果、従業員規模2,500人以上の民間企業、なかでも流通、運輸・運輸サービス、通信メディア・情報サービスの3分野であることがわかったという。これ以外の分野でも、大手の民間企業では、現在検討・情報収集段階の企業が多いことが判明している。

ビッグデータについて、情報収集を含む何らかの取り組みを行っている企業・団体(従業員数10人以上)652社に対して行われた同調査において、ビッグデータテクノロジーを活用する目的を訪ねたところ、「マーケティング強化」が最多だった。これに、「業務オペレーション改善」「リスク管理」「業績/パフォーマンス評価」と続いた。産業分野別に見ると、流通・サービス業や通信メディア・情報サービス業などの先行する分野で「マーケティング強化」を主な目的とする回答が多かった。

今後、ビッグデータテクノロジーを活用する主な目的(産業分野別) 資料:IDC Japan

取り組みを進める企業が最も期待する業績への効果は、新規事業や既存事業による「売上拡大」とする回答が半数以上を占め、「コスト削減」を上回った。一方で、今後3年間に期待する売上貢献の程度については「最大で10%程度」以下と回答した割合が約85%を占めており、過大な期待があるわけではなく、より現実的な収益貢献が求められている。