熊本県、熊本大学医学部附属病院、TRIARTの3者は7月28日、県内の脳卒中急性期医療体制の強化として、熊本大学医学部附属病院およびTRIARTが共同で開発した遠隔医療診断支援システム「XMIX(エクスミクス)」を熊本県内の6つの医療機関に導入し、脳卒中患者の救急対応などを行うため、2014年7月18日より運用を開始したと発表した。

同システムは、専門医が勤務していない時間帯に救急搬送された脳卒中患者の状態を、離れた場所に居る専門医などに連絡を取ると共に、同時に脳卒中患者の画像情報をiPhoneやiPadで閲覧できるようにするもので、これにより必要な助言を専門医から得ながら、脳卒中患者を受け入れた医療機関での治療を行うことを可能とするもの。

具体的には、iOS端末と専用のサーバで構成され、これらをAppleのFaceTimeと専用開発された放射線画像情報ビューアで情報共有を行うとする。また、通信経路は、独自技術によるセキュリティを確保することで安全性を担保しており、万が一、iOS端末が紛失や盗難により、関係者以外の人間の手に渡ったとしても、情報を閲覧することは不可能だとするほか、端末をハッキングしても情報を盗み出すことはできないとしている。

なお、今回導入された6医療機関は、「阿蘇医療センター」、「熊本医療センター」、「熊本再春荘病院」、「熊本大学医学部附属病院」、「水俣市立総合医療センター」、「山鹿中央病院」だが、今後、ほかの医療機関への展開も計画されているという。

上:患者の搬入から搬送(もしくは治療)までの流れ。下:同システムの構成図