早稲田大学 理工学術院 電気・情報生命工学科の岩崎秀雄 教授は、自身のFacebookにて、早大大学院 先進理工学研究科の有志一同による小保方氏の博士論文に関する調査報告書に対する所見を公開した。

同所見は7月19日に同大が一般に向けて公開した調査報告書を受ける形で7月24日に公開され、翌日に一部の文言が修正された形で掲載されており、内容は同大の学事担当理事、理工学術院長、先進理工学研究科長にも提出されているという。

同氏らが学位論文の中で重大な問題点とみなしてきたものが、調査報告書においては軽微に扱われている場合が散見され、強い違和感と困惑を覚えたこと、ならびに大学がこの問題に対する見解や処分を公表する過程において、さまざまな論点について透明性を確保しながら、学内外を問わずできるだけ多くの議論が活発に行われるべきとの考えから、同所見では、調査報告書に対し、特に問題と感じた6つの点が取り上げられている。

また、同氏は、十分な指導が行われなかったこと、ならびに、そうした評価である論文に学位を授与してしまった責任は重大であり、研究科の構成員として重く受け止めていることを述べているほか、今回の問題については、小保方氏1人の問題に限らず、研究・教育に関する構造的な問題が背後にあり、その一翼を担っている1人として、今一度痛切に猛省しなければいけないとの考えを示しており、科学研究・大学教育の原点に立ち戻り、この問題の背景や責任を明らかにし、再発防止や厳格かつ健全な研究・教育・学位審査プロセスの立て直しのために全力で臨むことを誓うと述べている。

なお、公表されている有志の氏名として、同氏のほか、同大 化学・生命化学専攻の小出隆規 教授、同 化学・生命化学専攻の寺田泰比古 教授、同 物理学及応用物理学専攻の勝藤拓郎 教授の名前が挙げられている。

小保方氏の博士学位論文に対する調査報告書において問題と有志が感じた6つの項目