日本学術会議は7月25日、STAP細胞論文の不正問題に関する理化学研究所(理研)の調査報告などを踏まえ、取り下げられた2つの論文における研究不正の解明と関係者に対する処分を求める幹事会声明を発表した。

同声明では、主に6つの要望と見解が表明されている。1つ目は、理研が研究不正を抑止するために実効性あるアクションプランを策定し、速やかに実行を移すこと。2つ目は、理研 発生・再生科学総合研究センター(CDB)の解体を求める学術会議の研究不正再発防止に向けた提言書に対する見解を示すこと。3つ目は、理研CDBが行ってきた若手・中堅研究者が安心してその能力を発揮できる環境を整備すること。4つ目は、研究不正の解明と、関係者の責任の明確化。5つ目は、理研の健全性回復に向けた行動に対する支援。そして6つ目は、研究機関そのものが、所属する研究者の不正を防ぐための取り組みを進めるという考え方を支持し、研究機関などがそうした取り組みをする際に協力することの表明となっている。

なお、学術会議では、今回のSTAP論文問題で生じた問題点の解明と、それに対する対処ができるかどうかが、今後の日本の科学研究のあり方に大きな影響を及ぼすものとの見方を示している。