フジワークは7月25日、3Dプリンタによる人物フィギュア造形用「人物3D撮影システム」を発表した。
従来、人物フィギュア造形用に3Dデータを取得するには、高価なハンディスキャナを用いて、専門知識を有したスタッフが10分程度モデルを静止させて撮影する必要があり、非常に効率が悪く、モデルにも負荷の掛かる作業となっていた。一方、スマートフォンなどで数枚撮影したものを3Dデータ化するためには、3Dモデラーが手作業でデータを作成する、いわば"似顔絵"のクオリティであり、高精度とはかけ離れたものとなっているのが現状だった。
今回の撮影システムは、一般的な撮影の知識があるフォトスタジオのスタッフであれば、誰でも簡単に、高品質な人物フィギュアの撮影ができることを目指して開発したという。カメラは、一眼レフを採用し、ハンディスキャナや類似システムに用いられるゲーム機カメラの流用品よりも高画質を実現した。さらに、カメラレンズは同社の選定機種以外にも自由に設定が可能で、照明・撮影方法でさらなる高画質化が可能なため、各フォトスタジオのノウハウで他店舗と品質で差別化を図ることもできる。また、撮影部にターンテーブルを設置することにより、必要スペースを約2m×2mと省スペース化を実現した。移動式のため専用スタジオが不要で、既存のスタジオがあれば照明・背景幕もそのまま流用できる。
なお、撮影した画像の3D化および造形はフジワークが作業する。同撮影システムで撮影したjpeg画像をフジワークに送付するだけで、3Dデータが完成する。フォトスタジオでの送付前の画像の加工は不要で、撮影以外の知識・手間がいらない。システムの基本構成は、一眼レフカメラ×4台、カメラ固定用3Dマルチアーム(支柱)、ターンテーブル、レリーズソフト(4台のカメラの制御用ソフト)で、価格はカメラ固定マルチフレーム、ターンテーブル、レリーズを含む基本キットが26万円(税抜き)、一眼レフカメラ・レンズ×各4台が24万円(税抜き、カメラは時価)となっている。9月より発売開始の予定。