三菱重工業は7月24日、2015年秋に開業予定の広島県が整備主体として建設が進められている先端がん放射線治療施設「高精度放射線治療センター(仮称)」向けに、動体追尾照射機能を搭載した放射線治療装置「Vero4DRT((販売名:線形加速器システムMHI-TM2000)」を受注したと発表した。
高精度放射線治療センターは、広島県医師会が運営主体となり、広島大学病院、県立広島病院、広島市立広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4基幹病院と広島県医師会、広島市および広島県による7者の共同事業として運営されるもの。Vero4DRTは、呼吸などの影響で揺れ動くがん病巣をリアルタイムにモニタリングしながら追尾し、狙った病巣にピンポイントでX線を連続的に照射できる動体追尾放射線治療が可能な放射線治療装置で、照射部位における線量分布の強度を変調させ、多方向から照射することで、複雑ながん病巣の形状に適合した高線量領域をつくるとともに、周辺の正常細胞への照射線量を減らす強度変調放射線治療(IMRT)にも対応している。
なお、同社では今後、放射線治療を行う施設の増加が見込まれることから、積極的にVero4DRTの拡販を進めて行く方針としている。