産業技術総合研究所(産総研)は7月24日、平面度λ/100(約6.3nm)と、関東平野の広さに対して5mm程度の凹凸が存在するレベルの超高精度平面ガラス基板を開発したと発表した。

同成果は、同所 計測標準研究部門 長さ計測科 長さ標準研究室の尾藤洋一研究室長、近藤余範主任研究員らによるもの。テクニカルと共同で行われた。詳細は、9月16~18日に鳥取大学にて開催される「精密工学会」で発表される。

今回開発された超高精度平面ガラス基板は、同所が新開発した角度測定方式を用いた超高精度平面度測定装置(SDP:Scanning Deflectometric Profiler)による評価技術を利用したもので、装置に組み込んだ状態でλ/100の平面度を実現した。現在、製造現場で用いられている平面度測定装置の測定精度はλ/20(約32nm)程度だが、この超高精度平面ガラス基板を基準板として組み込むと、その測定精度がλ/100程度に向上する。これにより、製造現場における平面度の測定・評価精度が向上することで、平面鏡やプリズムなどのさまざまな光学部品の加工精度の向上が期待できるとコメントしている。

今回開発した超高精度平面基板(直径100mm)

平面基板の平面形状測定結果。赤色の部分(外周付近)と最も凹んだ青色の部分(中央付近)との凹凸の差が6nm以下となっている