華為技術(HUAWEI)は、英国の通信事業者EEや英国放送協会(BBC)、Qualcomm子会社のQualcomm Technologyらと共同で、第4世代携帯電話技術(4G)が未来の放送において果たす役割を探るトライアルの実施を発表した。
同トライアルは、携帯電話事業者が既存の4G/LTEネットワークを通じて、人気コンテンツを多数の利用者に、より効率的かつコスト効率よく、一定の品質を保ってコンテンツを同時配信できるよう設計されたマルチキャスト技術「eMBMS(Evolved Multimedia Broadcast and Multicast Service)」を活用して、BBCのコンテンツをライブ・ストリーミングで配信するというもの。
英グラスゴー・サイエンス・センターに設置されたBBC R&D部門にて実施され、来場者は、実際に4Gブロードキャスト技術を使ってストリーミングされた動画を携帯端末上で視聴することが可能だという。
また、同トライアルは、利用者の多いライブ放送メディアの実際のシナリオを想定した高ネットワーク負荷状態に設定するなど、できる限り現実に近いテスト環境が構築されているとするほか、同一のライブ・コンテンツをユニキャストでもストリーミングし、4Gブロードキャストとの違いも視聴することが可能になる予定だとしている。
なお、同トライアルには、HUAWEIがEEのネットワーク上で稼動するネットワーク機器を、QualcommがSnapdragonプロセッサとブロードキャスト用のミドルウェア、アプリケーション開発用のソフトウェア開発キットをそれぞれ提供しており、BBCが提供するMPEG-DASH形式のライブ・コンテンツがEEのテスト・ラボに設置したHUAWEIのサーバにIPリンクを介して送信され、その後、マルチキャストにカプセル化された後にLTE基地局に送信され、グラスゴー・サイエンス・センター展示内の基地局から2.6GHz帯を用いてコンテンツが伝送される仕組みとなっているという。