Intersilは7月21日、0V~60Vの広いコモンモード入力電圧範囲をサポートするデジタルパワーモニタ「ISL2802x」ファミリを発表した。
電流、電圧、電力の計測は、電子機器監視の基本機能であり、電源システムの状態を把握するために重要な意味を持っている。こうした機能に基本的なオペアンプと電流検出アンプを使用することも可能だが、複雑なアナログ回路設計が必要で、リアルタイムに得られるシステムの情報には制約が生じる。これに対し、「ISL2802x」ファミリは、革新的な基本アーキテクチャの採用により、多数のビルディングブロックを集積するとともに、性能を犠牲にせずにシステム設計の複雑さを軽減する。
同ファミリは、それぞれ異なる特徴を持つ3品種で構成されている。このうち、「ISL28023」はアナログコンパレータ、電圧レギュレータ、D/Aコンバータ(DAC)、低電圧用AUXチャネルを1チップに集積したフル機能のPMBus互換デジタルパワーモニタである。「ISL28025」は、スペースに制約のある機器向けにアナログコンパレータと電圧レギュレータを内蔵している。「ISL28023」と「ISL28025」の内蔵アナログコンパレータは入力の連続監視が可能で、500ナノ秒の超高速応答に対応し、必要に応じてシステムの高速シャットオフのためにリアルタイムにアラートを出すことができる。この他、「ISL28022」はコストに制約のある機器に最適な製品となっている。
また、3品種ともゲインエラー代表値が±0.05%の16ビットネイティブ分解能シグマ-デルタA/Dコンバータ(ADC)を内蔵しており、有線、無線、データインフラ機器でしばしば求められる0V~60Vの広いコモンモード入力電圧範囲と大きな安全マージンを有する。さらに、定格温度範囲が-40℃~+125℃と広く、設計の柔軟性を向上させる。
なお、パッケージは、「ISL28023」が4mm角の24ピンQFN、「ISL28022」が16ピンQFNまたは10ピンMSOP、「ISL28025」が16ピンWLCP。価格は1000個一括購入時で0.95ドルから。すでに出荷が開始されている。また、評価キットの「ISL28022EVKIT1Z」、「ISL28023EVKIT1Z」、「ISL28025EVKIT1Z」は各70ドル。