理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの博士論文に関する疑問を調べていた早稲田大学の調査委員会(委員長、小林英明弁護士)は7月17日、調査報告書を鎌田薫早稲田大学総長に提出した。小保方氏の2011年の博士論文について、著作権侵害など故意による不正行為を6カ所認定したが、「草稿を誤って提出した」などとする小保方氏の釈明を認め、「学位取り消しの規定に該当しない」とした。
その一方、「博士論文の審査体制などに重大な欠陥、不備がなければ、本件博士論文が合格し、小保方氏に対して博士学位が授与されることは到底考えられなかった」と、指導教員らの重い責任と審査の問題を厳しく指摘した。鎌田薫総長は「委員会の報告結果を十分に尊重しながら、対応を決定していきたい」とのコメントを発表した。
この博士論文は、小保方氏が米ハーバード大学に留学中の成果を主にまとめたもので、その後の STAP細胞の研究につながった。博士論文の画像が、異なる実験のSTAP細胞論文にも使われていた点が「ねつ造による不正」と理研の調査委員会は認定している。早稲田大学の調査委員会は小林弁護士ら外部の3人と学内の2人が参加して、3月31日に設置され、小保方氏の博士論文について、事情聴取などを重ねて調査してきた。
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