どんなバナーならクリックしたくなりますか?

Webサイトの中央やテキストの下側に置かれているバナー広告。5年ほど前に比べるとその数は少し減ったようにも感じますが、検索サイトやニュースサイトには欠かせない存在です。Yahoo! JAPANなどでは位置によって広告費が大きく異なるとも言われており、揺るぎない力がある存在だと言えるでしょう。

そこで日本在住の外国人20名に「どんなバナーだったらクリックしたくなりますか?」という質問をしてみました。

■商品に興味があればクリックします。デザインはあまり関係ありません。(ドイツ/30代後半/男性)
■デザインよりは内容です。自分が興味のあるものならクリックします。明確にメリット、ポイントが入っているものが好きです。(ロシア/20代後半/女性)
■興味があるバナー。(インドネシア/30代後半/男性)
■興味があるものなら。(中国/30代前半/女性)
■デザインは関係なくリンク先が問題。(スリランカ/50代後半/男性)
■本屋さんのバナー。(スペイン/30代後半/男性)

内容優先、というごもっともな意見。「本屋さん」と利用先が限定された回答を始め、商品を探したり物事を調べたり…と目的が明確、かつ実用のためにWebサイトを利用される方はこうしたスタンスの方が多そうです。それだけに、最近ではGoogle AdSenseなどの検索連動型広告など、ユーザー個々の興味に合わせた広告が表示される仕組みも一般化していますよね(これはバナーではありませんが…)。

■面白いことが書いてあるもの。(ポーランド/20代後半/女性)
■面白いバナー(ペルー/40代後半/男性)

2010年頃まではエンターテインメント性の高いデザインや面白いギミックを取り入れたバナー広告が多く、世界的な広告賞のカンヌライオンズのサイバー部門(インタラクティブ広告などの部門)でもたくさんのバナーものが受賞していました。今ではWebブラウザの仕様や技術革新、また時流の問題もあり(理由は後述しています)
、その数はかなり少なくなっています。ただ、デザインの良し悪しは別にして「うわっ…私の年収、低すぎ…?」のバナーが話題になったりと話のタネになるものは結構あるようですね。

■色が明るいもの。(オーストラリア/40代前半/男性)
■丸くて赤いもの。(韓国/40代後半/男性)
■小さいもの。(インドネシア/30代前半/女性)

視覚的な要素に着目した回答。バナー広告において色はとても重要な要素です。2009年にFirefoxを開発するMozillaが行った実験によると、クリック数が最も高かったのは緑色。確かに、最近ではソフトのダウンロードボタンなどに緑を使っている所が多いですよね。一方、回答にある「赤」は危険などの意味があるため人を一瞬怯ませる力もありますが、逆に内容を意識して押すのでうまく使うとより効果的なものにできるのだそうです。

■大げさに商品をアピールしない、信頼できそうな見せ方のもの。(フランス/30代後半/男性)
■ぱっと見て、何のことかすぐわかるバナー。(ベトナム/30代前半/女性)
■意味がわかるもの。(トルコ/20代後半/女性)
■シンプルなデザイン。(スウェーデン/40代後半/女性)

一時期バナーをクリックすると、ブラウザに異常が起こったりパソコンがウイルス感染したりする問題が頻出した時期があったからでしょうか。面白さよりはきちんと内容を吟味して、もしくは意味が明解で信頼できるもののみ利用するという人が増えているようです。今では問題もかなり減りましたが、やっぱり気になりますもんね。

■基本的にはバナーをクリックしません。(ブラジル/50代前半/女性)
■バナーをブロックしています。(アメリカ/30代後半/男性)
■どんなバナーでもクリックしたくなりません。(イタリア/30代後半/女性)

上記と同じ理由ですが、こちらは完全なバナー否定派。自動的にポップアップされるバナーもあるため、回答のようなブロック設定にしている人も多いよう。Webサイトの使い方はユーザー個々に任されているだけに、実はこうした対応も安全面から見れば一つの手ではあるんですよね。

バナー広告と一口に言っても幅広いもの。本当に役立つ物から「これはちょっと危なそう…?」と感じる物までさまざまですが、賢く、上手に接していきたいと考える気持ちは万国共通と言えそうです。