BI・データ活用ソリューション「Dr.Sum EA」やBIダッシュボード「MotionBoard」などを提供するウイングアーク1stが、名古屋・大阪・東京の3都市で情報活用セミナー「夏の情活塾」を開催する。ここでは、7月31日に東京のアキバホールで開催予定のセミナー「社外×社内データの分析で変わる!ビジネスの『意思決定』~公共データ、第三者データ、社内データ資産…重ねて見える新しい事実~」から、「社外データ×社内データで新たな発見 意思決定の幅を広げる情活環境の作り方」と題したセッションの概要を見ていこう。

『社外×社内データの分析で変わる! ビジネスの「意思決定」』の参加申し込みはこちら
(参加費無料、7月31日(木)開催、東京都千代田区、開場13:30~)

ウイングアーク1stが提唱する”情活”への熱い想い

ウイングアーク1st 営業本部 ソリューションビジネス推進部 部長 中土井利行氏

ウイングアーク1stでは、ビジネスに必要不可欠な最先端の情報活用術が学べる「情活塾」を定期的に開催している。「弊社では、日本企業の情報活用をツールやノウハウで下支えしてきたという自負があります。こうした経験をもっと違った形で情報発信していけないかという考えから、2012年より情活塾という名前でセミナーを開始したのです」と語るのは、ウイングアーク1st 営業本部 ソリューションビジネス推進部 部長の中土井利行氏だ。

同社では、定期的にDr.Sum EAやMotionBoardなど製品を前面に出すようなイベントは行っている。しかし、Dr.Sum EAが4,290社(2月末現在)もの導入企業数を誇るまでに成長した今、単なるプロダクトベンダーという枠を超えて、日本企業にさまざまな情報活用のツールやノウハウを伝えられないかといった観点から、企業のミッションとして取り組んでいるのだ。その強い想いは”情活”という登録商標を取得している点からも感じられる。

情活塾で対象としている参加者は、ITに直接携わっている管理者だけでなく、経営や業務現場で情報活用に関する課題を抱えている人々まで実に幅広い。あくまでも彼らが知りたい情報を提供し、それを具現化するために各種ツールが存在する、という位置付けなのである。

オープンデータの活用をめぐる動きが活発化

2013年の「ビッグデータ」に続き、ウイングアーク1stが情活塾のテーマに選んだのが「オープンデータ」だ。

ビッグデータを利活用した、新ビジネスの創出や社会課題の解決への期待が高まっている。2013年末頃から総務省や経済産業省など政府主導でのさまざまな動きが出てきている。さらに民間レベルでも「データエクスチェンジ・コンソーシアム」をはじめ、クローズドデータをオープン化して相互活用しようという動きが盛んだ。「自社データや統計データなどの公共データを活用した先進的な取り組みを行う企業の事例がメディアなどでよく取り上げられていますが、次のステップとしては企業の壁を越えてデータを共有・活用できるようになることです。クローズドデータの相互活用に対して積極的な企業はごく一部です。弊社は幸いにもデータ活用活性化に関わる団体、有識者、事業者とつながりがあり多くの情報を得ていますので、今年の情活塾ではそこで得た最新の情報を参加者の皆さまに伝えられたら幸いです」と中土井氏は語る。

今回東京で開催する”夏の情活塾”の基調講演でも、国のデータのオープン化に加えて顧問的な立場でデータエクスチェンジ・コンソーシアムに関わっており、国と民間という両データのオープン化に知見を持つ、国立情報学研究所 准教授の大向一輝氏が登壇。現在起きている状況を、広い視点で解説する予定だ。

外部データとの連携を標準でサポートするMotionBoard Cloud for DMP

中土井氏は「クローズドデータをオープン化することについて、実はそこまでハードルが高くないということを基調講演でご理解いただいた上で、私のセッションではこれらのデータを具体的にどうやって活用していけば良いのかをご紹介します」と語る。

特にウイングアーク1stが提供するクラウドBIダッシュボードサービス「MotionBoard Cloud for DMP」では、オンプレミス版と比べて特筆すべきポイントがある。それは、気象情報・人口統計情報・消費者パネル調査などの外部データを標準で搭載している点だ。オンプレミス版でもユーザー自身が第三者データを独自に取り込み、分析を行うことができるが、さまざまな形で提供される第三者データを分析できる状態に加工する工数やノウハウなどの課題を解決し、すぐに利用できる環境を提供しているのがクラウド版ならではの付加価値といえる。中土井氏のセッションでは、実際にこれらの外部データとマーケティング活動や販売関連などの自社データを重ね合わせて分析。実際にMotionBoard Cloud上でビジュアライズすることにより、単なる数字や文字だけの組み合わせだけでなく、グラフィカルに見ると新たな気付きが得られるという部分を、具体的に体感してもらう。

「経営計画を立てる際にリサーチ会社のデータを確認する企業は多いでしょう。意識しないところで外部からデータや情報を取り込み、さまざまなビジネスプランや営業計画を立てているわけです。これを実際にMotionBoard Cloud上で簡単に実現できることを、さまざまな角度から見ていただきたいですね」と中土井氏は語る。

最後の特別講演では、MotionBoard Cloudに対して統計情報を提供しているJPS 代表取締役 平下治氏と、ウイングアーク1st 代表取締役社長CEOの内野弘幸氏による対談が予定されている。

JPSは35年にわたり、公共データの解析やマッピングによるエリアマーケティングなどを手がけている企業だ。統計データおよびエリアマーケティングのプロフェッショナル企業から、公共データを活用したエリアマーケティングの必要性、またそこから得られる新たな気付きについて、解説を聞ける貴重な機会となっている。

データの提供側と利用側をつなぐパイプ役、データプラットフォーマーを目指す

「現在、法制度的な課題は政府がバックアップし、提供するデータは関連事業者が拡大していくという動きが活発化しています。一方で、こうしたデータの提供側と利用側をつなぐパイプ役は必要不可欠な存在ですが、まだまだ不足しているのが現状です。弊社ではこれまでの実績と経験を活かし、このパイプ役を担うべく活動していきます」と語る中土井氏。

実際のところ、データ提供事業者は特定領域のデータ活用にはたけているが、他のデータをミックスして新しい価値を生むという点に関しては未成熟だ。今回のテーマである自社データと第三者データの相互利用を実現するには、この部分が一番重要といえるため、ウイングアーク1stは自らが架け橋となる役割を目指すのである。

最後に中土井氏は「極論としては、データ分析も企業がどのように収益を得ていくのかという部分に集約されます。さらに言えば、顧客に喜んでもらえるようなサービスや望まれている情報を提供することで、より企業の収益を上げていく、具体的にはマーケティングコストを下げて収益性を広げていくという活動の一環です。この活動に際して”不確実性さをより極小化する”ために必要なのは、さまざまなファクターのデータを重ね合わせることに尽きます。確かに、統計データを集めれば100%成功するというわけではありませんが、完成度を高めていく取り組みは企業にとって大きな価値があるでしょう」と、データ活用の核心を突く。

基調講演から特別講演までを通じて、企業を取り巻く現在のムーブメントや具体的な活用方法などをトータルで解説する本セミナー。興味のある方は、ぜひ参加していただきたい。