日本モレックスは7月16日、高速データ伝送と高密度実装に対応したデータコムコンピューティング向けバックプレーンコネクタシステム「Impel」シリーズに直交タイプ3品種を追加したと発表した。

新たに追加されたのは、6ペアドーターカード「171500」シリーズ、6ペアバックプレーンヘッダ「171495」シリーズ、6ペアダイレクトライトアングルオス(OD RAM)「171740」シリーズの3品種である。同コネクタシステムは、アーキテクチャの再設計や、データセンターの既存ハードウェアを交換することなく、40Gbpsの高速なデータ伝送を可能にする。また、業界で求められている機構条件となる高実装密度の要件も満たしている。さらに、ユーザーに対して機能拡張と価格メリットを提供する。

具体的には、直交方向でPCBにダイレクト接続できるため、バックプレーンやミッドプレーンのコネクタシステムに比べてエアフローが向上し、基板スペースの制約に関する課題を軽減できる。加えて、バックプレーンPCB部分の配線を経由しなくて済むので、DCとOD RAM間の最短配線が可能である。そして、オプションとして2種類のコンプライアントピンが用意されている他、直交嵌合コネクタあたり18~72個の差動信号ペア構造を備えることで、機械的性能と電気的性能の最適化に向けた設計の柔軟性を提供する。この他、直交タイプのピン密度は2.35mmピッチで、全ての信号ペアおよび20GHzまでの周波数において優れた低クロストーク、低挿入損失を提供するだけでなく、PCB配線トレースのクアッドルート設計(1レイヤあたり2ペア)が可能なため、PCBの層数削減に寄与する。

なお、同製品はハブ、スイッチ、ルータ、セントラルオフィス、携帯電話インフラ、マルチプラットフォームサービス(DSL、ケーブルデータ)などのテレコミュニケーション用途、サーバやストレージシステムなどのデータネットワーク機器用途に加え、産業機器や航空宇宙および防衛用機器などに適している。

6ペアバックプレーンヘッダ「171495」シリーズ

6ペアドーターカード「171500」シリーズ