カネボウ化粧品は7月14日、同社の美白化粧品を使用した際に肌がまだらに白くなる「白斑」の原因究明の研究において、培養した「メラノサイト(色素細胞)」を用い、美白成分「ロドデノール」がメラノサイトに対してダメージを与えるメカニズムの一端を明らかにしたと発表した。

同成果は、同社の研究プロジェクトチームならびに日本皮膚科学会・特別委員会らによるもの。

メラニンは、チロシナーゼ酵素とアミノ酸の一種である「チロシン」が結合することではじまるが、ロドデノールはチロシンと似た構造であり、チロシンの代わりにチロシナーゼと結合させることで、メラニンの合成を抑制することができる。今回の研究では、そこからさらに研究を進め、ロドデノールとチロシナーゼが結合することにより、新たに「ロドデノール代謝物」が作られることが判明したとする。

また、物質が過剰に生成させると、細胞へのダメージ(細胞障害)が生じることを確認したほか、メラニンの生成を効果的に抑制できる濃度では、そうした細胞障害を確認することはできず、通常では考えられない高濃度(効果的に抑制できる濃度の約100倍)になって初めて生じることも確認したとする。

なお、同社では、今回の研究では、なぜ特定の人で発症したのか、なぜ回復傾向に個人差が見られるのか、といった疑問はなぞのままであり、今後も日本皮膚科学会・特別委員会や厚生労働省・研究班などと協力して、原因の究明を目指すとしている。

通常はチロシナーゼとチロシンが結合することでメラニンが生成されるが、チロシナーゼとロドデノールが結合すると、「ロドデノール代謝物」が生成されることが判明した