ローデ・シュワルツ・ジャパンは7月14日、ベクトルシグナルジェネレータ「R&S SGT100A」を発表した。
同製品は、一般的なベクトルシグナルジェネレータの約1/4のサイズとなる250mm×401mm×53mmを実現。同社のベクトルシグナルジェネレータで最も小さな製品となっている。コンパクトなボディに1つのRFパス(80MHz~3/6GHz)と内蔵ベースバンド信号源を備える他、消費電力も65Wとミッドレンジクラスのベクトルシグナルジェネレータ「R&S SMBV(150W)」に比べて約1/2を実現している。
また、高い処理能力による高速の切り替え、最大1Gサンプルの大容量メモリにより、少ない読み込み回数でテスト時間を抑えることが可能。自動測定を行う生産ラインにおいて、テストスピードの課題を解決できる。例えば、LANで制御した場合、周波数やレベルの変更を1msで切り替えられる。そして、様々なARB波形でテストを行いたい場合はマルチセグメントウェーブフォームが有効であるという。マルチセグメントウェーブフォームとは、ARB波形ファイルのスケジュール機能で、選択したARB波形の出力時間を設定することが可能。同機能を使うことで、例えばLTEの信号からWCDMAの信号へと異なるARB波形でのテストが必要になった際に、ARB波形の読み込み時間を省いてテストできる。
さらに、+15dBmの高い出力レベルや-126dBc/Hzの優れたSSB位相雑音特性(1GHz、20kHzオフセット、代表値)など、ミドルレンジクラスのベクトルシグナルジェネレータに劣らない基本性能を備えている。内蔵ベースバンドも最大160MHz帯域幅の信号生成が可能で、LTE Advancedのキャリアアグリゲーションや、WLAN 802.11acの信号発生に対応している。この他、160MHzの変調帯域全体において、±0.1dB(実測値)というハイエンドクラスに近いフラットネスを実現している。これらにより、生産ラインだけでなく、R&Dの測定速度と正確さが求められる厳しい実証試験でも活用できるとしている。