コニカミノルタは7月11日、2013年に発売した乳房小線源治療用アプリケーター「SAVIアプリケーター」による国内での治療が今年3月から開始され、すでに4症例の治療が行われたと発表した。

乳がんの治療では、以前は乳房切除術が大部分だったが、近年、できるだけ乳房を残して治療を行う乳房温存療法を選択する割合が高くなっている。乳房温存療法では、乳房を部分的に切除してがんを取り除いた後、再発を低減する目的で放射線治療を行う。この放射線治療で一般的に行われている全乳房照射では、5~6週間にわたり毎日通院して乳房全体に放射線を照射するが、治療期間が長いため、生活にさまざまな負担をかけることになる。

「SAVIアプリケーター」は、この問題を解決する医療機器であり、がん病巣切除後の乳房内に挿入して、内側から近傍組織に向けて直接、放射線を照射する。このため、放射線治療の期間を5日間と大幅に短縮できる。また、数本のカテーテル(細いチューブ)内で小線源(ごく小さな粒状の放射性物質)を移動させながら、ピンポイントで照射線量を調節できるため、健康な組織の被ばくをより小さくできるという。

「SAVIアプリケーター」

「SAVIアプリケーター」と他の使用機器