日本HPは7月14日、新たなシンクライアント端末「HP t310 All-in-One Zero Client(以下、HP t310 AiO)」と「HP t520 Thin Client(以下、HP t520)」を発表した。7月17日より販売を開始し、8月上旬より出荷される。
「HP t310 AiO」は、PCoIPの処理とVMware環境に最適化したキーボードとマウス付属の23インチのディスプレイ一体型製品。Teradiciの最新のPCoIP技術を採用することで、低いディスプレイレイテンシーによる短い応答時間を実現。負荷の大きなマルチメディアアプリケーションにも対応し、Amazon WorkSpaces、VMware Horizon DaaS、およびVMware Horizon Viewに組み込まれている。
PCoIPホストカードとゼロクライアントは共に150Mpps(1秒間に処理できるピクセル数)をサポートし、DVIポートでの2画面構成が可能で、最大1,920×1,200の解像度に対応する。
ヘルスケア、金融サービス、政府機関、小売業、教育などの産業分野における仮想化された作業環境を最適化するよう設計されている。価格は64,800円。
「HP t520」は、従来モデル(HP t510)よりも約30%小型化したファンレス設計で、「HP t510」の性能を14.4%上回る。AMD GX-212JC SOC、SATAフラッシュドライブインタフェース、HDグラフィックス、および構成可能なメモリとストレージを備えている。「HP t520」では利用シーンに合わせて、Windows Embedded、「HP Smart Zero」のモデルとクライアント仮想化ソリューションの選択が可能。製造業、金融サービス、コールセンター、小売業などの利用を想定している。
価格は、「t520 Smart Client 8GF/4GR」が 41,040円、「t520 WES7e 16GF/4GR」が56,160円、「t520 WES7e 16GF/4GR WiFi」が59,400円、「t520 WE8S 16GF/4GR」が64,800円、「t520 WE8S 16GF/4GR WiFi」が68,040円。
また同社は合わせて、シンクライアント向け独自OS「HP ThinPro」のアップデート版「HP ThinPro 5.0」も発表。これまでHPは「HP Smart Zero」と「HP ThinPro OS」を提供してきたが、今回発表する「HP ThinPro 5.0」は「HP Smart Zero」と「HP ThinPro OS」を統合したもので、ユーザーは「HP Smart Zero」と「HP ThinPro OS」を必要に応じて切り替えることができる。また、使用するデスクトップがカスタマイズできるほか、HPのWebサイトもしくはUSBキーを通じた自動アップデートによるシステムの管理や、独自の設定やセキュリティ機能強化のためのリストアも可能となる。
「HP Thin Pro 5.0」は今後、「HP t620/t610/t510」プラットフォームでも利用可能となる予定。