メルセデス・ベンツ日本は7月11日、7年ぶりにフルモデルチェンジを行った「Cクラス」を日本市場に投入することを発表した。

新型Cクラスは「アジリティ&インテリジェンス」をコンセプトに、素材選びから設計、製造工程に至るまであらゆる部分に同社の最先端技術が投入されているという。例えば、ボディシェルのアルミニウム使用率を約50%とし、アルミニウムとスチールのコンポーネントを重ね合わせ、高速でリベットを貫通させる「ImpAct(Impuse Accelerated Tacking)」接合方式を採用することで、先代比(ホワイトボディ)で約70kgの軽量化を実現したという。これにより、重心高が低下し、スポーティかつ俊敏なハンドリング、NVH(騒音、振動、ハーシュネス)特性の最適化に加え、動力性能を犠牲にすることなく燃費を最大30%以上向上させることに成功したとする。

先代Cクラスの10%から、新型Cクラスは48%まで、一気にアルミニウム使用量を増加させている

外板パネルの大半にアルミニウムが用いられている

また、徹底した空力最適化により、空力特性を示すCd値は0.24を達成。燃費効率の向上に加え、風切り音の減少にも成功したとする。

さらに、リンク機構とストラット式スプリングを独立させることで理想的なサスペンションの動きを実現可能な新開発の4リンク式フロントサスペンションも採用。キャンパー角の自由なセッティングが可能となり、コーナリングでのグリップが向上したほか、リアは、これまでのマルチリンクサスペンションを進化させた5本のリンクによる独立懸架式を採用することで、直進安定性を向上させたとする。

一方のインテリジェンスとしては、「レーダーセーフティパッケージ」をはじめとする安全運転支援システムを導入しており、特にフロントおよびリアバンパー側面に内蔵された25GHzの短距離レーダー、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個のレーダーセンサによりクルマの周囲360°をカバーすることが可能となっており、カメラで得られた情報と併せてアルゴリズム解析を行うことで、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを自動車が独自に検出し、その位置を特定、自車の状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストすることが可能となっている。

新型Cクラスで提供される各種インテリジェンス。これらを活用することで、部分的ながら自動運転が実現される

なお、7月12日より、東京の同社の情報発信拠点「Mercedes-Benz Connection」にて、そうしたインテリジェントドライブを体験できるドライブシミュレータが稼働する予定だという。

東京の「Mercedes-Benz Connection」にてインテリジェントドライブのドライビングシミュレータを体験することができる

新型Cクラスを囲んで写っているのは、左がメルセデス・ベンツ日本 代表取締役社長 件 CEOの上野金太郎氏、右が同 代表取締役副社長 件 営業/マーケティング部門担当のマーク・ボデルケ氏