最近良く聞く「IoT(Internet of Things : モノのインターネット)」とは、どんなものだか分かりますか?なんとなく分かっているつもりの今どきマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!
用語説明:【IoT(Internet of Things : モノのインターネット)】
MITのAuto-ID センターの共同創設者であり、イギリスの無線IDタグの専門家/プロダクターであるケビン・アシュトン氏が1999年に初めて使った造語で、従来のパソコンやサーバー、プリンタ等といったIT関連機器以外の様々な“モノ”に、通信機能を持たせインターネットに接続する技術を指す。
インターネットが全ての”モノ”がコミュニケーションをするための情報伝送路として進化し、相互通信することによって、遠隔でも自動で認識、計測、制御等が可能となる。
1990年代に使われた「ユビキタスコンピューティング」や「ユビキタスネットワーク」という概念の進化系といえるが、IoTでは必ずしも人間が介在せず端末同士、モノ同士が自律的に情報交換・連携する。昨今注目されているMachine-to-Machine(M2M)というコンセプトはIoTの一形態と位置づけられる。
米ネットワーク機器大手のシスコは、インターネットに接続されるデバイス数が2020年に500億に達すると予測しており、IoTを中心に、人、プロセス、ビッグデータ等、ありとあらゆるモノがインターネットで繋がる将来像として「Internet of Everything(IoE)」を提唱している。
解説
2014年は「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)」が本格的に普及し始める年になると言われています。
ワイヤレス・ブロードバンドといった通信環境が普及し、従来のWiFi(無線LAN)やBluetooth、WiMAXに加え、RFIDやNFC、BLE(Bluetooth Low Energy)といった新たな無線技術も登場。小型化・低価格化したセンサーによって、あらゆるモノが個別に識別され、近距離無線通信機能を備えたスマートフォンなどによってデータとしてやりとりされるようになっています。
既にスマートファクトリー、スマートハウス、スマートカー、スマート家電などなど、身の回りの自動車、家電製品、産業機器、建物設備、アクセサリーなどあらゆるものがスマート化されつつありますが、IoTが社会インフラとして発展したスマートシティが実現すると、システムやビジネスだけにとどまらず、消費者の暮らしを含め社会全体にイノベーションを起こす可能性は計り知れません。
IoTによって現実社会から収集される膨大なデータから新しいビジネスと脅威が生まれる
IoTによって収集が見込める詳細な統計データや位置データは、新たなビジネス・チャンスと大きな課題を秘めています。
ネット上だけでなく現実での日常生活のデータもが、リアルタイムに細く分析されることによって、企業にとってはこれまでのような過去の実績からの予測ではなく、現実に起きている事柄を基に計画立てられるようになるため、サービスや広告のパーソナライズ化がますます進む事が考えられます。
また、多くのモノを管理するためのデバイスとしてスマホの重要性が高まると、スマホ広告の効果が向上する可能性もあります。
ただ、消費者にとって精緻過ぎるパーソナライズは監視されているような心地悪さを感じさせる懸念もあり、単にデータにマッチした広告を配信するだけではない付加価値が求められるようになるでしょう。
さらに、先日、テレビや冷蔵庫などスマート家電から大量に不正メールが送信されたというニュースがありましたが、世界中のデバイスがネットに繋がるとセキュリティの問題も無視できません。
IoTは、クラウド、ソーシャル、ビッグデータ、O2O、オムニチャネル、ウェアラブルデバイスといった昨今のマーケティングトレンドも全て取り込み、マーケティングを劇的に変化させるかもしれない技術革新になりつつあります。
しかし、ともするとシステム先行で人間不在になる危険性もあるため、企業のマーケターは今まで以上に豊かなブランド体験の提供を目指し、消費者との関係から新たな価値を生み出す取り組みが求められるのではないでしょうか。
イラスト
速瀬 みさき
1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!
公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ
本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。
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