米IBMはこのほど、料理メディア「Bon Appétit」と提携し、人工知能技術「Watson」を利用した料理アプリ「Chef Watson with Bon Appétit」を開発した。これは、材料や料理方法を入力するとレシピを提案してくれるアプリで、料理にインスピレーションを与えるという。
Chef WatsonはIBMのWatsonを土台としたWebアプリで、コグニティブコンピューティング技術を家庭料理に応用するもの。IBM Researchの科学者による2年以上の開発をもとに、米ニューヨークにある料理学校「Institute of Culinary Education」の料理専門家とコラボレーションした成果だという。
IBMが最初にこの技術を披露したのは、今年3月にテキサス州オースティンで開催された音楽・映画イベント「SXSW 2014」で登場させたフードトラック「Watson Food Truck」で、オーストリア風チョコレートブリトーなどのメニューを提供した。
今回のアプリ開発にあたって、WatsonはBon Appetitが有する約9,000のレシピ、材料の組み合わせ、調理方法やスタイル、料理の種類などについて学んだ。これらの知識に加えて、食品化学、快楽についての心理学、地方や民族料理に関する情報を与えたという。
同アプリを使ってレシピを生成するには、指示に従って利用したい材料や調理方法などの情報を入力すればよい。Watsonはこれを受けて、100種ものレシピを作成し、材料の量や料理の手順も指示してくれるという。「新しい料理や材料の組み合わせを通じて、作る人にインスピレーションを与える」とIBMは説明している。
Bon AppetitではChef Watsonを使って考案した7月4日の独立記念日のメニューとして、「ブラックベリー・コブラーのはちみつホイップクリーム添え」、「タマリンド風味のキャベツのコールスローのクリスピーオニオン添え」などのレシピを紹介している。
Chef Watsonは限定ベータ版であり、ベータテストの参加希望者は専用Webサイトより登録できる。